コラム

村上 陽一郎「2018 この3冊」|鷲見洋一『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』(ぷねうま舎)、鈴木貞美『日本人の自然観』(作品社)、高橋義人『悪魔の神話学』(岩波書店)

  • 2019/01/12

2018 この3冊

(1)『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』鷲見洋一著(ぷねうま舎)

(2)『日本人の自然観』鈴木貞美著(作品社)

(3)『悪魔の神話学』高橋義人著(岩波書店)



(1)『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』は本紙(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆媒体は毎日新聞)でも紹介したので、詳述はしないが、学としての深みだけでない魅力に溢(あふ)れていた。

(2)『日本人の自然観』は実はまだ完全には読み切れていない(2018年10月30日刊)。大冊のゆえでもあり、いちいち考えさせられたり、改めて調べ直したり、という作業を強制する書物だからだ。それでも、この浩瀚(こうかん)な内容と問題提起とは、推挙を躊躇(ちゅうちょ)させない。

(3)『悪魔の神話学』はここではいささか(かなり、かな)躊躇があった。それだけ個性的な、問題含みの書物。しかし、著者畢生(ひっせい)の作品であることは間違いがない。私には、正しく反応する力はないが、学界からでも、あるいは宗教界からでも、私の知る限りでは、今のところ目立った反応がないのは寂しい。


一八世紀 近代の臨界 / 鷲見 洋一
一八世紀 近代の臨界
  • 著者:鷲見 洋一
  • 出版社:ぷねうま舎
  • 装丁:単行本(392ページ)
  • 発売日:2018-07-25
  • ISBN-10:4906791948
  • ISBN-13:978-4906791941
内容紹介:
知られざる生の深みへ。モーツァルトとディドロ、音楽と書翰・対話に表現された、近代的な孤の天国と地獄。そして、時代を超える二つの創造、“イ短調ピアノ・ソナタ”と『百科全書』。名づけようのない哀しみと、知の巨大な集積の企てとが交叉する地点に、近代の始原と極北とをとらえる。半世紀をかけた一八世紀研究の結晶。

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日本人の自然観 / 鈴木 貞美
日本人の自然観
  • 著者:鈴木 貞美
  • 出版社:作品社
  • 装丁:単行本(786ページ)
  • 発売日:2018-10-30
  • ISBN-10:4861827221
  • ISBN-13:978-4861827228
内容紹介:
日本人はいつから自然を愛してきたのか。
記紀・万葉・風土記の世界から中・近世を経て現代まで、時代の文化と共に変容する意識と感性の変遷を文献を駆使して綜合的に解明する。

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悪魔の神話学 / 高橋 義人
悪魔の神話学
  • 著者:高橋 義人
  • 出版社:岩波書店
  • 装丁:単行本(304ページ)
  • 発売日:2018-06-23
  • ISBN-10:4000612565
  • ISBN-13:978-4000612562

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2018年12月16日

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