仔羊の頭 / フランシスコ・アヤラ
仔羊の頭
  • 著者:フランシスコ・アヤラ
  • 翻訳:松本 健二,丸田 千花子
  • 出版社:現代企画室
  • 装丁:単行本(270ページ)
  • 発売日:2011-04-01
  • ISBN-10:4773810106
  • ISBN-13:978-4773810103
内容紹介:
1940〜50年代に書き綴られながら、作家の出身国=スペインでは、フランコの死から3年後、1978年にようやく出版されたアヤラの短編集。「人びとの心の中の内戦」として展開した悲劇的なスペイン… もっと読む
1940〜50年代に書き綴られながら、作家の出身国=スペインでは、フランコの死から3年後、1978年にようやく出版されたアヤラの短編集。「人びとの心の中の内戦」として展開した悲劇的なスペイン市民戦争の実相を、市井の庶民の内省と諦観と後悔の裡に描く。セルバンテス賞コレクション第6作。



読書を通して、人は「自由に想像する世界」を獲得することができる。ドン・キホーテの狂気は騎士道小説の読みすぎに由来すると考えた司祭たちは、彼の書斎に火を放った。書斎の扉を壁で塞いで、書斎そのものを無きものにした。元気を回復したドン・キホーテは、騎士道小説を読もうと書斎に行くものの扉は見当たらず、彼は、かつて扉があったはずの場所を撫で回すだけだった——この稀有な人物を生み出した作家の名を冠したセルバンテス文学賞の受賞スピーチで、アヤラは、「遍歴の騎士」ドン・キホーテにとって、この焚書こそ、彼が経験した数々の困難な冒険の中で、最も痛ましいものだと述べた。



〈セルバンテス賞コレクションとは〉

スペイン文化省は1976年に、スペイン語圏で刊行される文学作品を対象とした文学賞を設置した。名称は、『ドン・キホーテ』の作家に因んで、セルバンテス賞と名づけられた。以後、イベリア半島とラテンアメリカの優れた表現者に対して、この賞が授与されている。このシリーズは、それらの受賞作家の作品を順次紹介するものである。

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