『相馬藩世紀 3』(八木書店出版部)

岡田 清一
昭和20年冬、新たに相馬中村藩史編纂の企画が持ち上がったが、諸般の事情から見送られた。替わりに歴代の編纂作業に携わった方々が拠り所にしていた慶長以降の代々の年譜が相馬家に伝存していたので、これを翻刻する作業が続けられていた。
本書は、相馬中村藩歴代藩主の年譜で、初代藩主利胤誕生の天正9年(1581)から、13代誠胤が歿する明治25年(1892)まで312年間、181冊の記録である。その後、翻刻本を相馬家に納めるにあたり、『相馬藩世紀』と名付けられた。今回の刊行では、再度の原本照合とともに頭注と校訂注を施し、利便性を向上させた。
当時の史料を引用しつつ、編年体にまとめられた本記録は信憑性が高く、相馬中村藩政史はもとより、幕政史や地域の民俗学の研究に大変有益な史料である。
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