【全12回連続講座】佐藤亜紀 歴史小説の技法

  • 2024/12/17

月刊ALL REVIEWS特別編 連続講座「歴史小説の技法」

月刊ALL REVIEWS特別編として佐藤亜紀さんを講師に迎え、連続講座「歴史小説の技法」を開講する運びとなりました。
プレ講座として12月14日(土)にシラバスの説明を行う無料講座を開催、
本講座を1月25日(土)に開講し、以降毎月第3土曜日で全12回で開講してまいります。

<講座詳細>

歴史小説とは何であり得るのかを考察する。
前半は理論編として、歴史研究や資料と向き合うことについて、
後半は個別の作例を分析しながら、主題や表現としての可能性について考えていきたい。

<講座日程>

プレ講座:12月14日(土) 歴史とは何か/歴史小説とは何か
本講義の概要として、幾つかの作例を交えながら語る。
第1回:1月25日(土)歴史小説のタイポロジー
典型としての歴史小説を分析する
『戦争と平和』
『風と共に去りぬ』
第2回:2月15日(土) 小説で歴史を書けるか——日本型歴史小説の特殊性
司馬遼太郎の著作を通して、日本の歴史小説の特異性について考察する
第3回:3月15日(土)歴史研究が小説より面白い時
歴史を題材にわざわざフィクションを書くことの意味
『モンタイユー』
『チーズと蛆虫』
第4回:4月19日(土)資料をどう使うか
資料から何をどう立ち上げるか
『記録を残さなかった男の歴史』
第5回:5月17日(土)スタイルの問題
文体・様式の模写技能の必要性
第6回:6月21日(土)前期総括
第7回:7月19日(土)語り残されたものとしての資本主義・官僚制
既存のフィクションのフォーマットでは本質を語りにくい経済についてどう語るか考える。また同様に正面から語られることの少ない官僚制について書いた作例を検討する。
マッシーニ『リーマン・トリロジー』
リテル『慈しみの女神たち』
第8回:8月16日(土)語り得ないものをどう書くか1
第9回:9月20日(土)語り得ないものをどう書くか2
歴史には膨大な数の、深いトラウマを刻まれた人々が存在するが、英雄偉人を扱う限り、その存在が浮上することはない。言葉を奪われた存在に言葉を与えなおし、語らせることによって、言語表現としての小説は大きく変化することになる。
ヴォネガット『スローターハウス5』
マルケス『百年の孤独』
ラシュディ『真夜中の子供たち』
ナボコフ『ベンドシニスター』
シンガー『モスカット一族』
第10回:10月18日(土)偽史の可能性
偽史もまた、史実と向かい合って生み出される場合には、歴史との対話である。その可能性と限界について考える。
ビネ『文明交錯』
第11回:11月15日(土)また別の意味で語り得ないもの
あまりにも自分たちから断絶した時代は、近代小説のアプローチによって再現することがほぼ不可能である。この場合取るべきアプローチは、コスプレした現代人に徹するか、不可能を前提とすることで表現そのものを変えるか、ということになる。両者の作例を比較検討する。
マルグリット・ユルスナール『ハドリアヌス帝の回想』
パスカル・キニャール『アルブキウス』
『アプロネニア・アウィティアの柘植の板』
第12回:12月20日(土)全体総括


<受講料>
※1回ごとの単発での申し込み 現地:13,000円、オンライン:9,000円
単発でのお申込は1月より開始する予定です。
通期・半期でのお申込みで満席になった場合にはご案内が出来ない可能性もございますのでご容赦くださいませ。

★★現地参加特典★★
講座開始1時間前18時より佐藤亜紀さんがPASSAGEbisにお越しくださいます。
ご希望の方は個別でお話いただいたり、執筆指導をしていただけます。

<お申込み>

【講師プロフィール】

■佐藤 亜紀(さとう・あき)
1962年生まれ。新潟県出身。『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞。『天使』で芸術選奨新人賞。『ミノタウロス』で吉川英治文学新人賞、『喜べ、幸いなる魂よ』で読売文学賞受賞。小説の他『小説のストラテジー』『小説のタクティクス』など著書多数。

 

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