書評
『シン・アナキズム: 世直し思想家列伝』(NHK出版)
アナキズムが帰ってきた。シン・ゴジラのようだ。≪アナキズム=暴力=テロリズム≫と忌避された昔と違い、若い世代に支持を集める。
著者・重田園江氏は政治思想史が専門。五年前に突然、自分はアナキストだと啓示を受けた。そこで本書を構想。アナキズムは≪体系的ではない…理論ならざる理論≫なので、列伝の形式だ。三章に登場の森政稔(まさとし)氏はプルードン研究者でねこ好き。ねこは自分に忠実なアナキストだ。各章に愛すべきねこたちを並べた。
一章のジェイン・ジェイコブズはNYの旧市街を開発から守った。二章のヴァンダナ・シヴァは、北インドの樹木を伐採から守った。四章のカール・ポランニーは機能的社会主義を唱え、資本主義でも計画経済でもない第三の道を模索した。五章のデイヴィッド・グレーバーは人類学者で資本主義を批判する。シット・ジョブは社会に必要なのに待遇の悪い仕事。ブルシット・ジョブは社会に必要ないのに待遇がよい仕事。何でこうなる? 彼の『価値論』『負債論』が秘密を解明する。≪物理的脅威を必要とせずお互いを理解…するとき、われわれは…アナキスト≫と宣言する著者の大胆な野心作だ。
著者・重田園江氏は政治思想史が専門。五年前に突然、自分はアナキストだと啓示を受けた。そこで本書を構想。アナキズムは≪体系的ではない…理論ならざる理論≫なので、列伝の形式だ。三章に登場の森政稔(まさとし)氏はプルードン研究者でねこ好き。ねこは自分に忠実なアナキストだ。各章に愛すべきねこたちを並べた。
一章のジェイン・ジェイコブズはNYの旧市街を開発から守った。二章のヴァンダナ・シヴァは、北インドの樹木を伐採から守った。四章のカール・ポランニーは機能的社会主義を唱え、資本主義でも計画経済でもない第三の道を模索した。五章のデイヴィッド・グレーバーは人類学者で資本主義を批判する。シット・ジョブは社会に必要なのに待遇の悪い仕事。ブルシット・ジョブは社会に必要ないのに待遇がよい仕事。何でこうなる? 彼の『価値論』『負債論』が秘密を解明する。≪物理的脅威を必要とせずお互いを理解…するとき、われわれは…アナキスト≫と宣言する著者の大胆な野心作だ。
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