その家事、本当に必要? 「モノを手放して、家事も手放す」という考え方
モノを手放すことで家事を手放す。減らせる家事はこんなにある
家事とは、日々の暮らしを快適に過ごすために欠かせない生活の一部です。片付け、掃除、料理や洗濯だけでなく、ストックを補充したり、夕飯の献立を考えたり、なぜか裏返っている家族の衣類を戻したりなど、数多く存在します。皆さんも私も、仕事や育児と多忙な中で「今日は天気がいいから、早いうちに洗濯物を干したい」「今晩の夕食は何にしよう? 材料を買いにスーパーにも行かなきゃ……」など、綿密なスケジュールを無意識に考えながら、効率的に家事をこなそうと日々がんばっているのです。これは本当に大変なことです。
家事には家族の数だけ異なったマニュアルがあります。家族の個々の状況や好みに合わせて家事のやり方は調整されるため、共通する部分はあっても、服の畳み方が各々で違うようにそれぞれ方法は異なっているのです。
身近な大人の家事のやり方を見て育ってきたので、それを当たり前の方法として続けている方が多いのではないでしょうか。モノが増えて収納を圧迫すると、モノを手放して部屋をスッキリさせたいと思うのに対して、家事に追われているとき「家事を手放す」という考えはなかなか浮かびません。そもそも、そんな発想すら生まれにくいかもしれません。よって、惰性で続けてしまっている家事にも気づかず、こなし続けてしまいます。
実は、自分の生活にあるのが当たり前だと思っているモノを手放してみると、やらなくても済むようになる家事が驚くほどたくさん出てきます。今まで日常的に使っていたモノを手放すと、かえって生活が不便になるのではと不安な気持ちにもなりますが、そのモノこそがストレスの原因になっているかもしれません。手放すことで家事が減り、生活が快適になるモノは案外たくさんあるのです。
ここでは、私が実際に手放したことで家事が減ったモノと具体的な例を紹介します。ご自身の生活に合わせて、モノを手放す際の検討にお役立てください。
【手放すモノ】家じゅうのゴミ箱 → 【手放せる家事】ゴミ箱掃除、ゴミ袋交換、ゴミを集める
リビングや寝室、洗面所など部屋ごとにゴミ箱を設置すると、ゴミ袋をかぶせる、汚れたら洗う、全部屋のゴミを集めてまとめる、掃除の際にいちいち動かす、などの家事がゴミ箱の数だけ生まれます。我が家ではキッチンだけに45Lサイズのゴミ箱を置き、家じゅうのゴミを集約しました。家の中のどこにいても、その都度キッチンのゴミ箱に捨てに行くようにしています。
【手放すモノ】シンクの排水口の蓋 → 【手放せる家事】蓋のヌメリ掃除
排水口に蓋をして視界から隠すと、掃除を後回しにしてしまいやすく、気づいたら悲惨な状態になりがちです。蓋を外しておくと、排水口にゴミがたまった状態が嫌でも目に入ります。すると、そのままだと見栄えが悪いため、シンクを使い終わったらすぐに掃除する習慣が身につきます。また、蓋を外しておくことで蓋自体の掃除も省けて、掃除にかかる時間を短縮できます。
【手放すモノ】お風呂場にある備え付けの棚 → 【手放せる家事】カビ、水垢、ヌメリとり掃除
お風呂場にモノを置いて収納すると、たちまちヌメリやカビが生える原因になってしまいます。我が家では、シャンプーや掃除用具などはお風呂場の壁についているバーに吊るして収納するようにしました。すると、備え付けの棚を使う必要もなくなりました。以上のように、今まで当たり前に使っていたモノを手放すことで、その分家事が減り、心にも余裕ができました。家事が減って空いた時間は、自分の好きなことができています。ないほうが快適だと思えるモノだけを手放していくと、少しずつ家事がラクになるのを実感できるはずです。
【書き手】
mai minimalism(マイ ミニマリズム)
YouTuber、ミニマリスト。
「意図的にモノを手放す」「積極的にやることを減らす」「自分の大切なモノ・コトと向き合い幸せに暮らす」をポリシーに、自身のミニマルライフをYouTubeチャンネル「mai minimalism」や音声配信プラットフォーム「stand.fm」などで配信中。もともとかなりのめんどくさがりだが、たくさんの失敗と挫折を経て「がんばらないミニマリズム」にたどり着く。 「素朴かつ理想的なお洒落さ、こだわり」と「きちんと役立つ実用性」のバランスがとれた生活風景には、視聴者から「素敵!」「自分にもできるかも!」といった声が多く集まっている。
SNSの総フォロワー数は約16万人。普段は看護師として働く。賃貸1LDKで夫、子、犬と暮らす。本書が初めての書籍。
・YouTubeチャンネル「mai minimalism」@mai.minimalism
・Instagram @mai.minimalism
・stand.fm「mai minimalism」
本稿は『がんばらないミニマリズム モノ・時間・暮らしのゆとりをつくる』(祥伝社)より一部抜粋のうえ作成