旅先で!地下鉄で!こんな場所で地震が来たら? 東日本大震災などの被災ママパパに学ぶ
●地下鉄・エレベーターなどで被災したら?
自宅での防災をしっかりと考えていても、いつどこで災害に遭遇するかはわかりません。よく行く場所では、いざというときのシミュレーションをし、台風や大雨、雪などについては天気予報に注意して、無理な外出は控えましょう。外出先で地震にあったら、いる場所ごとに適切な避難が必要です。デパートなどでは防災訓練を受けた店員が誘導してくれるので、それに従って避難しましょう。
地下鉄やエレベーターなど、閉鎖的な空間での被災は混乱を招きがち。子連れの場合は、人の波にのまれてケガをしないよう、様子を見てから安全に避難するようにしましょう。
エレベーターは避難には使わない
エレベーターが動いていたとしても、閉じ込められる危険性があるため、使わずに避難しましょう。エレベーターの中にいるときに被災したら、全階のボタンを押して止まった階で降ります。閉じ込められたら非常ボタンを押し、救助を求めましょう。
駅や地下鉄では抱っこ紐で
ベビーカーから子どもを降ろし、抱っこ紐か、おんぶ紐で避難します。地下鉄のホームで地震にあった場合は、地上に出ようとする人が出入り口に押し寄せます。落ち着いて、人の流れと、子どもの様子に注意しながら、地上へ向かいましょう。
●旅先で被災したら?
「出張中にホテルで地震。はじめてきた土地で避難所も何もわからず混乱したが、『ここは高台なので津波は大丈夫です』という、ホテルのスタッフのおかげで、部屋で落ち着いてラジオで情報収集できた(東日本大震災・36歳男性・息子2歳)」土地勘のない場所で災害に遭遇したときは、やみくもに動き回るのではなく、宿の人やその土地の人、ラジオやインターネットの情報をもとに避難方法を検討します。
出張や旅行が多い人は、事前にそのエリアで災害が起きたときのシミュレーションをし、避難所の場所、家族への連絡の方法などを確認しておくようにしましょう。
海外で被災したら大使館へ向かう
海外旅行の前に日本大使館の位置を確認し、荷物には水や食料などを入れておくようにしましょう。ネット回線は災害直後はまだ使えることがあるので、家族への連絡やSNSでの安否報告を。公的な機関から正確な情報を得るようにしましょう。
保険証と常備薬は必ず持参
旅行や出張先には、健康保険証と普段飲んでいる薬を多めに携帯しておくとよいでしょう。また、災害時は現金が便利。公衆電話から連絡ができるように10 円玉を多めに持って行きましょう。スマホの充電もこまめにしておきましょう。
●美容院やエステで被災したら?
「パーマ中に被災。慌ててパーマ液をつけたままタオルを巻いて自宅へ帰ったのですが、落ち着いたころ、美容師さんが沸かしたお湯を持って流しにきてくれました(東日本大震災・29歳女性・息子5歳)」最近は、美容室の防災も進み、いざというときの対応や薬剤の洗い流し方法などを検討している美容室が増えました。とはいえ、いざというとき、避難を優先させた場合でも、薬剤をそのままにしておくわけにはいきませんよね。
自宅に十分な水の備蓄と、カセットガスコンロがあれば、断水、停電してしまっていてもお湯を沸かして薬剤を流すことができます。
こういうときは?と考えてみる
エステの施術中、病院での入院中、歯科治療中など、無防備になりやすい場所や、逃げるのに時間がかかりそうな場所はたくさんあります。自分がよく行く場所で被災した際、どういう対応をするのか、担当の人に聞いておきましょう。
施設の避難経路を確認しておく
非常口などをあらかじめ確認しておきましょう。鏡やガラスなどが落ち、割れる可能性があるため、洗面器などで頭を守ります。慌ててバスタオル1枚で飛び出すのは危険です。落ち着いて、まずは着替えてから行動しましょう。
*本稿は『全災害対応!最新子連れ防災BOOK--被災ママパパ1648人と作りました』から一部を抜粋編集して作成しました
[書き手]冨川万美(NPO法人ママプラグ)