書評

『建築は不純につくられる 中国・習近平時代の建築とモニュメント』(岩波書店)

  • 2026/09/26
建築は不純につくられる 中国・習近平時代の建築とモニュメント / 市川 紘司
建築は不純につくられる 中国・習近平時代の建築とモニュメント
  • 著者:市川 紘司
  • 出版社:岩波書店
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2026-05-28
  • ISBN-10:4000617591
  • ISBN-13:978-4000617598
内容紹介:
いまや東アジアの「建築家大国」となった中国。度肝を抜く奇抜なものから洗練されたデザインまで。実に多彩な現代建築の数々には矛盾や問題を抱えながらも急成長した中国社会の特性があらゆる… もっと読む
いまや東アジアの「建築家大国」となった中国。度肝を抜く奇抜なものから洗練されたデザインまで。実に多彩な現代建築の数々には矛盾や問題を抱えながらも急成長した中国社会の特性があらゆるかたちで埋め込まれている。『世界』人気連載「中国新建築文化論」に大幅に加筆修正してお届けする「中国現代建築入門」。図版多数。

目 次

本書関連地図

序 章 中国の「転換期」を建築から考える

第1章 習近平時代の建築・都市・政治
1 習近平はなぜ「奇奇怪怪建築」を批判したか
2 田舎(カントリーサイド)に向かう建築家たち
3 チャイニーズ・プレファブ――発展途上国としての中国に向き合う
4 「再・社会主義化」する住宅――不動産バブルとその崩壊
5 テレビ番組から生まれた日本の「網紅建築師」
6 上海万博以後の上海――アトリエ・ダスハウスの建築

第2章 コロナ禍と北京オリンピック
1 ゼロコロナ政策を空間から考える
2 開発主義からグリーン五輪へ――二度のオリンピックは首都をどう変えたか

第3章 モニュメント論Ⅰ――抗日戦争・震災・文化大革命
1 《中国人民抗日戦争紀念館》――盧溝橋にたつ愛国主義教育基地
2 《南京大虐殺紀念館》――増改築の続く巨大メモリアル
3 ネリ&フーと「反省的ノスタルジー」――旧日本軍施設のコンバージョン
4 せめぎ合うモニュメントとメモリアル、そして遺構――唐山大地震と四川大地震
5 実業家・樊建川が手がける巨大「愛国テーマパーク」

第4章 モニュメント論Ⅱ――建築に表現されてきた「中国的なもの」
1 中国革命の父・孫文を記念する
2 《人民英雄紀念碑》――社会主義リアリズムの国家モニュメント
3 「中国人民の偉大さ」としての歴史主義――北京十大建築
4 イオ・ミン・ペイと「ふたつの中国」
5 デジタルと自然、そして伝統の融合――MADアーキテクツ

主要参考文献
おわりに
本書関連年表

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

タワマン乱造で売れ残ればゴーストタウン(鬼城)。そんなイメージをよそに躍進を続けるのが中国建築界だ。その最新動向を紹介する。

著者は2010年代に清華大学建築学院に留学し、肌感覚の中国事情に通じている。建築史が専門だ。

山村の古民家をそっくり民宿・店舗や図書室に再生する張雷。一村一品の特産品工場を設計し、観光スポットにも活用する徐甜甜。農村住宅を改修・保存する王澍。都会を離れ農村部に向かう建築家たちがいる。都市部では、建築学院で同窓の青山周平が胡同(フートン)「雑院」のリノベに取り組みテレビ番組で注目された。

こうした人間サイズの動きがあるいっぽう、都市の集合住宅は塀で囲まれた「単位大院」で画一的。コロナ禍では居民委員会が出入り口を閉じ住民の移動を制限した。独特の構造が共産党組織と連動している。

中国の建築家はずっと、国営系の設計院に属してきた。90年代以降ポスト文革世代の建築家が、独立して活躍し始めた。そんな才能ある人びとがどんな仕事をしたか、記念館やモニュメントを中心に丁寧に紹介していく。日本とは違った発展をたどった建築大国中国の肖像画だ。
建築は不純につくられる 中国・習近平時代の建築とモニュメント / 市川 紘司
建築は不純につくられる 中国・習近平時代の建築とモニュメント
  • 著者:市川 紘司
  • 出版社:岩波書店
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(272ページ)
  • 発売日:2026-05-28
  • ISBN-10:4000617591
  • ISBN-13:978-4000617598
内容紹介:
いまや東アジアの「建築家大国」となった中国。度肝を抜く奇抜なものから洗練されたデザインまで。実に多彩な現代建築の数々には矛盾や問題を抱えながらも急成長した中国社会の特性があらゆる… もっと読む
いまや東アジアの「建築家大国」となった中国。度肝を抜く奇抜なものから洗練されたデザインまで。実に多彩な現代建築の数々には矛盾や問題を抱えながらも急成長した中国社会の特性があらゆるかたちで埋め込まれている。『世界』人気連載「中国新建築文化論」に大幅に加筆修正してお届けする「中国現代建築入門」。図版多数。

目 次

本書関連地図

序 章 中国の「転換期」を建築から考える

第1章 習近平時代の建築・都市・政治
1 習近平はなぜ「奇奇怪怪建築」を批判したか
2 田舎(カントリーサイド)に向かう建築家たち
3 チャイニーズ・プレファブ――発展途上国としての中国に向き合う
4 「再・社会主義化」する住宅――不動産バブルとその崩壊
5 テレビ番組から生まれた日本の「網紅建築師」
6 上海万博以後の上海――アトリエ・ダスハウスの建築

第2章 コロナ禍と北京オリンピック
1 ゼロコロナ政策を空間から考える
2 開発主義からグリーン五輪へ――二度のオリンピックは首都をどう変えたか

第3章 モニュメント論Ⅰ――抗日戦争・震災・文化大革命
1 《中国人民抗日戦争紀念館》――盧溝橋にたつ愛国主義教育基地
2 《南京大虐殺紀念館》――増改築の続く巨大メモリアル
3 ネリ&フーと「反省的ノスタルジー」――旧日本軍施設のコンバージョン
4 せめぎ合うモニュメントとメモリアル、そして遺構――唐山大地震と四川大地震
5 実業家・樊建川が手がける巨大「愛国テーマパーク」

第4章 モニュメント論Ⅱ――建築に表現されてきた「中国的なもの」
1 中国革命の父・孫文を記念する
2 《人民英雄紀念碑》――社会主義リアリズムの国家モニュメント
3 「中国人民の偉大さ」としての歴史主義――北京十大建築
4 イオ・ミン・ペイと「ふたつの中国」
5 デジタルと自然、そして伝統の融合――MADアーキテクツ

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おわりに
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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2026年9月19日

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