内田 樹TATSURU UCHIDA
公式サイト: http://blog.tatsuru.com/
1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。神戸女学院大学文学部助教授・教授を経て2011年に退職。現在、神戸女学院大学名誉教授。京都精華大学客員教授。昭和大学理事。神戸市内で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰。合気道凱風館館長、神戸女学院大学合気…もっと読む
書物と出会ったときに最初に自分に問うことは「この本は私を読者に想定して書かれているか?」ということである。判断基準の一つは「周知のように」…
思想家で武道家でもある内田樹さんの著書『生きづらさについて考える』が2019年8月24日、発売となりました。内田さんは、自身が10代だった1960年代と…
言葉は流布しているが、一意的な定義は確定していない。だから「ネット右翼とは何か」という本が書かれることになる。マックス・ウェーバーの『プロ…
大学院の演習でハルミ・ベフの『イデオロギーとしての日本文化論』を読む。ハルミ・ベフは日本名別府春海。ロサンゼルス生まれだが、少年期を日本で…
「ポルトレ」作家としての関川夏央『「坊っちゃん」の時代』を機に、関川夏央は明治の文人たちとの親交を深めるようになった。もちろん、関川が論じ…
虚構と現実の隙間の、現実よりも現実的なものフィリップ・ロスの新刊の内容を聴いて腰を浮かした(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2014年11…
「橋本治」の「力業」『九十八歳になった私』は「私」の目覚めの場面から始まる。これは文中でも示唆されているようにカフカの『変身』を「本歌」と…
前に大学の授業で、ふと思いついて、小説の任意の一節から「視覚情報」に依拠して書かれている箇所だけ抜くと、文章はどう変わるかを実験したことが…
鷲田清一はあるときから「臨床哲学」ということを言い始めた。その語には固有の含意がある。一つは(臨床医がそうであるように)「使えるものは全部…
明治生まれの私の父は雪が降ると必ず「降る雪や明治は遠くなりにけり」と小さな声で詠じた。自分の生まれた時代が遠ざかってゆくことへの感懐がどん…