書評

『告白』(双葉社)

  • 2017/12/09
告白   / 湊 かなえ
告白
  • 著者:湊 かなえ
  • 出版社:双葉社
  • 装丁:文庫(320ページ)
  • 発売日:2010-04-08
  • ISBN-10:457551344X
  • ISBN-13:978-4575513448
内容紹介:
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「… もっと読む
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!"特別収録"中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。
終業式後の教室で担任の女性教師が語り出す。自分の娘を殺した犯人が、この教室の中にいる、と……。彼女のモノローグで進む第1章は、中学1年生が幼女を殺したという事件内容、そして教師が用意した意外な罰に、ゾワーッと鳥肌が立つ。

この第1章が昨年の小説推理新人賞受賞作だった。授賞式の日、担当編集者の平野優佳さんが著者と話していて、登場人物たちの背景が綿密に設定されていると分かった。そこで事件のその後も書いてもらうことに。そうして全6章、事件に何らかのつながりのある人物たちによる“告白”からなる本書が完成。二転三転する真相、新たに起こる事件など、各章、異なる類の衝撃が待っている。感情を抑えたドライな口調で緊迫感をあおる一方、あまりの毒々しさが時にどこかユーモラスにも感じられ、その緩急のバランスが読み手を飽きさせない。

今年8月の刊行前、版元が書店にゲラを配ると、翌日には感想がよせられるなど異例の反応が。刊行後は各店舗での大々的な宣伝や口コミの効果で版を重ね、テレビ番組でも取り上げられるほどに。新人の作品としては異例の早さで10万部を突破。

読者層は30〜40代の女性がメーン。「本を読んで涙や冷や汗が出るなんて今までなかった」「読み終えた後もショック状態が続いています」など、熱烈な感想がよせられている。

最大の衝撃は、その結末かも。「嫌な気持ちになるか、すがすがしく思うか、意見が分かれるようです。自分の倫理観や正義感が試されるんですよね」と平野さん。ラストをどう思うか話がしたくて、周囲に本書を薦める人も多いのだそう。
告白   / 湊 かなえ
告白
  • 著者:湊 かなえ
  • 出版社:双葉社
  • 装丁:文庫(320ページ)
  • 発売日:2010-04-08
  • ISBN-10:457551344X
  • ISBN-13:978-4575513448
内容紹介:
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「… もっと読む
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラーが遂に文庫化!"特別収録"中島哲也監督インタビュー『「告白」映画化によせて』。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2008年10月19日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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