書評
『告白』(双葉社)
終業式後の教室で担任の女性教師が語り出す。自分の娘を殺した犯人が、この教室の中にいる、と……。彼女のモノローグで進む第1章は、中学1年生が幼女を殺したという事件内容、そして教師が用意した意外な罰に、ゾワーッと鳥肌が立つ。
この第1章が昨年の小説推理新人賞受賞作だった。授賞式の日、担当編集者の平野優佳さんが著者と話していて、登場人物たちの背景が綿密に設定されていると分かった。そこで事件のその後も書いてもらうことに。そうして全6章、事件に何らかのつながりのある人物たちによる“告白”からなる本書が完成。二転三転する真相、新たに起こる事件など、各章、異なる類の衝撃が待っている。感情を抑えたドライな口調で緊迫感をあおる一方、あまりの毒々しさが時にどこかユーモラスにも感じられ、その緩急のバランスが読み手を飽きさせない。
今年8月の刊行前、版元が書店にゲラを配ると、翌日には感想がよせられるなど異例の反応が。刊行後は各店舗での大々的な宣伝や口コミの効果で版を重ね、テレビ番組でも取り上げられるほどに。新人の作品としては異例の早さで10万部を突破。
読者層は30〜40代の女性がメーン。「本を読んで涙や冷や汗が出るなんて今までなかった」「読み終えた後もショック状態が続いています」など、熱烈な感想がよせられている。
最大の衝撃は、その結末かも。「嫌な気持ちになるか、すがすがしく思うか、意見が分かれるようです。自分の倫理観や正義感が試されるんですよね」と平野さん。ラストをどう思うか話がしたくて、周囲に本書を薦める人も多いのだそう。
この第1章が昨年の小説推理新人賞受賞作だった。授賞式の日、担当編集者の平野優佳さんが著者と話していて、登場人物たちの背景が綿密に設定されていると分かった。そこで事件のその後も書いてもらうことに。そうして全6章、事件に何らかのつながりのある人物たちによる“告白”からなる本書が完成。二転三転する真相、新たに起こる事件など、各章、異なる類の衝撃が待っている。感情を抑えたドライな口調で緊迫感をあおる一方、あまりの毒々しさが時にどこかユーモラスにも感じられ、その緩急のバランスが読み手を飽きさせない。
今年8月の刊行前、版元が書店にゲラを配ると、翌日には感想がよせられるなど異例の反応が。刊行後は各店舗での大々的な宣伝や口コミの効果で版を重ね、テレビ番組でも取り上げられるほどに。新人の作品としては異例の早さで10万部を突破。
読者層は30〜40代の女性がメーン。「本を読んで涙や冷や汗が出るなんて今までなかった」「読み終えた後もショック状態が続いています」など、熱烈な感想がよせられている。
最大の衝撃は、その結末かも。「嫌な気持ちになるか、すがすがしく思うか、意見が分かれるようです。自分の倫理観や正義感が試されるんですよね」と平野さん。ラストをどう思うか話がしたくて、周囲に本書を薦める人も多いのだそう。
朝日新聞 2008年10月19日
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