1978年生まれ。批評家、メディア研究者。近畿大学文芸学部准教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。各種媒体にジャーナリズムや文芸に関する論考を発表。著書に『批評メディア論』(岩波書店)。編著に『1990年代論』(河出書房新社)のほか、『三木清教養論集』『三木清大学論集』『三木清文芸批評集』の三部…もっと読む
- 『夫婦善哉』(講談社)大澤 聡
ジュンク堂吉祥寺店には週2回は遊びに来ていた。2ヶ月前までは。いまは大阪に住んでいる。通勤途中の鶴橋駅で毎日乗換える。ホームまで焼肉の煙でも…
書評 - 『晩年様式集』(講談社)大澤 聡
未定稿の補遺ある文芸誌の依頼だった。二〇〇〇年代に大江健三郎が発表した一連の小説作品をメディア論の観点から批評したことがある。といっても、…
書評 - 『鼻に挟み撃ち 他三編』(集英社)大澤 聡
引用たちの創発性アレントはベンヤミンの生涯を数行に圧縮するにあたって、「かれの学識は偉大であったが、しかしかれは学者ではなかった」という一…
書評 - 『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新聞出版)大澤 聡
民主主義のリハビリへトークイベントのなかで、影響を受けた書き手を訊かれて「高橋源一郎」と答えたら対談相手からも観客席からも満場一致で不思議…
書評 - 『往古来今』(文藝春秋)大澤 聡
「考えるな、見よ!」異様に話が下手な友人がいる。枝葉部分まで忠実に再現しようとするあまり、微分的に細部から細部へと沈潜し、焦点が次々とズレ…
書評 - 『「おたく」の精神史 一九八〇年代論』(講談社)大澤 聡
「とるに足らないもの」たちの遠近法個人的なエピソードから以前、ある論集に新左翼系総会屋雑誌に関する研究論文を寄せた。新左翼系総会屋雑誌の…
書評 - 『スタッキング可能』(河出書房新社)大澤 聡
本書収録作「マーガレットは植える」を初出で読んだとき、すごいすごいすごい、誰かと今すぐこの衝撃を共有したいと思い、とりあえず表題をネット検…
書評 - 『なめらかで熱くて甘苦しくて』(新潮社)大澤 聡
洪水以後の世界構造むかしむかし。男がいて。女もいて。セックスしたくて。セックスして。しまくって。死にました。おしまい。『伊勢物語』の授業レ…
書評 - 『教養主義のリハビリテーション』(筑摩書房)大澤 聡
はじめに教養主義は瀕死の状態にある。これまでも、衰退、没落、崩壊……と段階をふんでネガティブに形容されてきたし、そのつど劣化しながらもどうに…
前書き - 『わたしがいなかった街で』(新潮社)大澤 聡
時間、記憶、メディア表題作の「わたし」=平尾砂羽は、同僚たちとの会話のなかで、そこにいない社員について「ふざけんなよ、殺すぞ、くそぼけ野郎…
書評 - 『江藤淳と大江健三郎: 戦後日本の政治と文学』(筑摩書房)大澤 聡
私小説的手法で描く戦後文学史文学史不在の時代だ。そんな状況にあって文学の新規性はどう確保すればよいのか。私は文芸誌の月評で、小谷野敦の小説…
書評 - 『本物の読書家』(講談社)大澤 聡
「にもかかわらず」の挑戦二葉亭四迷が「予が半生の懺悔」と題した談話を発表したのは一九〇八年六月のことだ。同月、二葉亭は新聞社の特派員として…
書評 - 『さようなら、オレンジ』(筑摩書房)大澤 聡
書くことへの強い必然性いま読んでいるこの小説はどんな人によって書かれたのか。全く気にならないという読者は少ないだろう。巻末の著者紹介に目を…
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