
1970年、大分県生まれ。小説家、仏語文学研究者。「水に埋もれる墓」で朝日新人文学賞、『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞、『九年前の祈り』で芥川龍之介賞受賞。訳書にV・S・ナイポール『ミゲル・ストリート』(小沢自然との共訳)、ポール・ニザン「アデン、アラビア」ほか。〈プロフィール写真 (c)講談社(撮影・森清)>
- 著作:
小野 正嗣の書評/解説/選評
- 『アンネ・フランクについて語るときに僕たちの語ること』(新潮社)小野 正嗣
生還者は「人間的」になったのか艱難(かんなん)汝(なんじ)を玉にす。だが、途方もない災厄を経験した者はその分だけ人格者になれる、とナイーブ…
書評 - 『ヘルプ 上 心がつなぐストーリー』(集英社)小野 正嗣
声なき者の声で、境界線越える60年代前半のアメリカのミシシッピ州。2人の女性の出会いが物語の核となる。白人の裕福な家庭で家政婦、つまり「ヘル…
書評 - 『人生と運命 1』(みすず書房)小野 正嗣
戦争に揺れる人々、背後に広がる闇まず喝采したい。20世紀文学という巨大な山脈の最高峰の一つがついに翻訳されたのだから! これは、第2次世界大戦…
書評 - 『タイガーズ・ワイフ』(新潮社)小野 正嗣
勇猛な想像力で普遍性もつ異郷 読後、吠(ほ)えたくなった。あまりにも悲しいから。なのに腹が立つほどパワフルで魅惑的だから。 作者のテア・オブ…
書評 - 『無声映画のシーン』(ヴィレッジブックス)小野 正嗣
写真から甦る、忘れえぬ風景 スペインの作家がある日、北部の一地方の鉱山が閉鎖されることを知る。そこは彼が少年の頃に10年ほど暮らした山間の町…
解説 - 『爪と目』(新潮社)小野 正嗣
「あなた」が気づかない欲望人体を覆う表皮のうち特別な存在が二つある。爪と目である。前者は自由な両手の指先を保護し、後者からは外界の情報の8…
書評
小野 正嗣の読書日記/コラム/対談・鼎談