
1970年、大分県生まれ。小説家、仏語文学研究者。「水に埋もれる墓」で朝日新人文学賞、『にぎやかな湾に背負われた船』で三島由紀夫賞、『九年前の祈り』で芥川龍之介賞受賞。訳書にV・S・ナイポール『ミゲル・ストリート』(小沢自然との共訳)、ポール・ニザン「アデン、アラビア」ほか。〈プロフィール写真 (c)講談社(撮影・森清)>
- 著作:
小野 正嗣の書評/解説/選評
- 『2666』(白水社)小野 正嗣
小説を怪物にする死と詩情と俗悪さ 〈寂寞〉ではなく、〈寂漠〉という文字が思い浮かんだ。寂しさの砂漠あるいは砂漠の孤独。チリに生まれ、青年期…
書評 - 『フランス組曲』(白水社)小野 正嗣
戦時下の人間描く一大絵巻1940年6月、ナチスドイツはフランスに侵攻する。フランス軍は敗走を重ね、パリをはじめとする北部はドイツ軍に占領される…
書評 - 『abさんご』(文藝春秋)小野 正嗣
読むことの不自由さからの解放〈読む〉とはどのような行為なのか? 画面をありのままに見ることの困難さを繰り返し述べてきた国際的な映画批評家・…
書評 - 『デイヴィッドの物語』(大月書店)小野 正嗣
闇の底から浮かび重なる声舞台は、ネルソン・マンデラ釈放後の1991年の南アフリカ共和国である。おそらくこの国ほど文学が国民の〈声〉となることが…
書評 - 『題未定―安部公房初期短編集』(新潮社)小野 正嗣
巨大な〈名〉の背後の〈!?〉な世界文学部で教えていて恐ろしいことがある。安部公房の名前をあげても、〈?〉顔の学生ばかり。いや、この反応に〈…
書評 - 『フリーダム』(早川書房)小野 正嗣
壊れゆく家族で〈不自由さ〉描く小説は何のために読まれるのか? 娯楽? 暇つぶし? 自分が主役の自由な世界をせっせと拡張すべく、スマホの画面の…
書評