内容紹介
『こども 論語と算盤 お金と生き方の大切なことがわかる!』(祥伝社)
お金持ちになるにはどうしたらいい?
立派な人になるにはどうしたらいい?
NHK大河ドラマ『青天を衝け』で注目の渋沢栄一さん。
彼の名著『論語と算盤』を、中国古典の専門家、守屋淳さんが
子ども向けに超訳しました。
「これから、お金よりも信用のほうが大切」
現代は、ネットやSNSの発達によって、見知らぬ人とすぐに連絡が取りあえたり、他人の意見や考えを広く知ることができます。そうなると、たとえば人望のある人や、人気のある人には何万ものフォロワーがつきます。それを活かせば、お金は、後からついてくるようになるわけです。
渋沢栄一さんは、明治時代から、これとまったく同じ「お金と信用」や「お金と人柄」の問題について、深い思索をめぐらせてきた偉人でした。
まず、お金というのは人が幸せになるためには最低限欠かせないもの。だからこそ「そろばん」、つまりお金を稼ぐための算段や、計算が必要になってきます。
でも、たくさんお金をもっていたからといって、必ず幸せになれたり、人から尊敬される人生を送れるとは限りません。下手にお金がたくさんあったばかりに、他人が信用できなくなって友だちを失ったり、家族がバラバラになってしまった例は少なくないのです。
こうならないために必要なのが『論語』の教え。つまり人から信用され、尊敬され、幸せな人生を送るための考え方を学ぶことが必要になってきます。この「お金」と「信用や道徳」という二つのバランスのとり方が、『論語と算盤』という本にはつまっているのです。
実は、こうした彼の考え方は、いま海外でも注目を浴びています。
たとえば、中国では、『論語と算盤』の翻訳が、なんと9種類も出版されています。それくらい人気なのです。
この本は、渋沢栄一さんという人がお話しした内容を、みんなが読みやすいかたちに直したものです。
渋沢栄一さんというのは、明治 、大正、昭和時代にかけて、500もの会社を作るのにかかわった人。それだけではなく、学校とか病院とか、みんなのためになる団体や組織を作るのにも600くらいかかわりました。ノーベル平和賞の候補にも2回なっています。
渋沢栄一さんがいなかったら、わたしたちは、今のように豊かな生活が、おそらくできなかったでしょう。
こんなすごい活躍をした渋沢栄一さんが、いつもいっていたのが「論語とそろばん」という言葉なのです。
『論語』というのは、中国の昔の本だけれど、その中には「どうしたらりっぱな人間になれるか」が書いてあります。
もうひとつの「そろばん」というのは、昔の電卓とか計算機のこと。栄一さんは、商売の意味でこの「そろばん」という言葉を使っています。
でも、なんで昔の中国の本である『論語』と、「そろばん」という昔の電卓が一緒になるのでしょう。理由はこうです。
商売って、自分がお金持ちになりたいって思ってやるもの。このときとても大なのが、お金の計算、つまり「そろばん」。
ただ、それだけだと商売ってうまくいかなくなります。なぜなら人は「僕はお金持ちになりたいんです。だから、僕のお店からモノを買ってください」というお店や会社から、買い物したいとは思わないからです。
逆に、「みなさんに喜んでもらえるものをそろえました。ぜひ買ってください」というところから買いたいのではないでしょうか。
栄一さんが、思いやりや世の中への貢献という意味で使っているのが「論語」という言葉なのです。
これから大人になって、どんどん世の中で活躍するために必要なことを、この本で学んでもらえると、とてもうれしいです。




[書き手]守屋淳
立派な人になるにはどうしたらいい?
NHK大河ドラマ『青天を衝け』で注目の渋沢栄一さん。
彼の名著『論語と算盤』を、中国古典の専門家、守屋淳さんが
子ども向けに超訳しました。
渋沢栄一さんは「お金と信用」を考えてきた偉人
今も昔も、幸せになりかったら、お金を稼ぐことはとても大事なことです。でも同時に、最近はこんなことがいわれるようになってきました。「これから、お金よりも信用のほうが大切」
現代は、ネットやSNSの発達によって、見知らぬ人とすぐに連絡が取りあえたり、他人の意見や考えを広く知ることができます。そうなると、たとえば人望のある人や、人気のある人には何万ものフォロワーがつきます。それを活かせば、お金は、後からついてくるようになるわけです。
渋沢栄一さんは、明治時代から、これとまったく同じ「お金と信用」や「お金と人柄」の問題について、深い思索をめぐらせてきた偉人でした。
まず、お金というのは人が幸せになるためには最低限欠かせないもの。だからこそ「そろばん」、つまりお金を稼ぐための算段や、計算が必要になってきます。
でも、たくさんお金をもっていたからといって、必ず幸せになれたり、人から尊敬される人生を送れるとは限りません。下手にお金がたくさんあったばかりに、他人が信用できなくなって友だちを失ったり、家族がバラバラになってしまった例は少なくないのです。
こうならないために必要なのが『論語』の教え。つまり人から信用され、尊敬され、幸せな人生を送るための考え方を学ぶことが必要になってきます。この「お金」と「信用や道徳」という二つのバランスのとり方が、『論語と算盤』という本にはつまっているのです。
実は、こうした彼の考え方は、いま海外でも注目を浴びています。
たとえば、中国では、『論語と算盤』の翻訳が、なんと9種類も出版されています。それくらい人気なのです。
「どうしたら立派な人間になれますか?」
この本は、渋沢栄一さんという人がお話しした内容を、みんなが読みやすいかたちに直したものです。
渋沢栄一さんというのは、明治 、大正、昭和時代にかけて、500もの会社を作るのにかかわった人。それだけではなく、学校とか病院とか、みんなのためになる団体や組織を作るのにも600くらいかかわりました。ノーベル平和賞の候補にも2回なっています。
渋沢栄一さんがいなかったら、わたしたちは、今のように豊かな生活が、おそらくできなかったでしょう。
こんなすごい活躍をした渋沢栄一さんが、いつもいっていたのが「論語とそろばん」という言葉なのです。
『論語』というのは、中国の昔の本だけれど、その中には「どうしたらりっぱな人間になれるか」が書いてあります。
もうひとつの「そろばん」というのは、昔の電卓とか計算機のこと。栄一さんは、商売の意味でこの「そろばん」という言葉を使っています。
でも、なんで昔の中国の本である『論語』と、「そろばん」という昔の電卓が一緒になるのでしょう。理由はこうです。
商売って、自分がお金持ちになりたいって思ってやるもの。このときとても大なのが、お金の計算、つまり「そろばん」。
ただ、それだけだと商売ってうまくいかなくなります。なぜなら人は「僕はお金持ちになりたいんです。だから、僕のお店からモノを買ってください」というお店や会社から、買い物したいとは思わないからです。
逆に、「みなさんに喜んでもらえるものをそろえました。ぜひ買ってください」というところから買いたいのではないでしょうか。
栄一さんが、思いやりや世の中への貢献という意味で使っているのが「論語」という言葉なのです。
これから大人になって、どんどん世の中で活躍するために必要なことを、この本で学んでもらえると、とてもうれしいです。




[書き手]守屋淳