書評

『サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ』(海と月社)

  • 2017/08/06
サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ / ジェームズ・ハンター,James Hunter
サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ
  • 著者:ジェームズ・ハンター,James Hunter
  • 出版社:海と月社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(212ページ)
  • 発売日:2012-05-21
  • ISBN-10:4903212351
  • ISBN-13:978-4903212357
内容紹介:
考えは行動になり、行動は習慣になり、習慣は人格になり、人格は運命になる-このシンプルな物語が、あなたのリーダー観を根本から変えていく。
リーダーになりたくない、という若いビジネスマンが増えているという。聞こえてくるのは、「目立ちたくない」「責任をとるのはいやだ」「面倒だ」という声だ。

たしかに、何万人もの社員を率いる大企業トップの責任は重い。解決しなければならない難題は山積みだ。能力と資質を備えた人でなければ、トップリーダーは務まらない。しかし、リーダーは企業トップに限らず、社会、地域、家庭、サークルなどのあらゆる場面で求められる。人々はいかにリーダーシップを発揮すればいいか、頭を悩ませることになる。

本書の主人公、板ガラス工場のゼネラルマネジャーも、職場や家庭でうまく人間関係を築けず、悩みが深い。部下との関係、妻との関係、子供たちとの関係をいかに修復するか。そのカギは、リーダーシップにかかっている。修道院での修養会で、人との関係性を見つめ直すことを決意する。

権威と権力はどうちがうか。権威あるリーダーとはどういう人か。ピラミッド型は限界か。奉仕と犠牲とはどういうことか。リーダーにとっての優しさとは何か。人の行為は変えられるか。他者を愛することで自らを成長させられるか。喜びの報酬とは何か――。

彼は、修養会での対話を通じて学んでいく。本書は、リーダーシップとは、「共通の利益になると見なされた目標に向かって熱心に働くよう、人々に影響を与える技能」であると、定義づけている。さらに、リーダーの資質として、本書は、「信頼できる」「献身的」「話をよく聞く」「人に責任を持たせる」「敬意をもって人に接する」「人を励ます」「人の価値を認める」などをあげている。

聖書の言葉が引用されている箇所も多く、キリスト教の教えが土台にあり、ややとっつきにくいところもあるが、本書は対話形式で読みやすく構成されているので、案外、すんなりと腹に落ちる。

この本を通して、若い人たちにリーダーのあり方について学んでほしいと思う。
サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ / ジェームズ・ハンター,James Hunter
サーバント・リーダー 「権力」ではない。「権威」を求めよ
  • 著者:ジェームズ・ハンター,James Hunter
  • 出版社:海と月社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(212ページ)
  • 発売日:2012-05-21
  • ISBN-10:4903212351
  • ISBN-13:978-4903212357
内容紹介:
考えは行動になり、行動は習慣になり、習慣は人格になり、人格は運命になる-このシンプルな物語が、あなたのリーダー観を根本から変えていく。

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初出メディア

潮

潮 2010年10月

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