
1964年東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務を経て渡米。帰国後の2003年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で直木賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ作品賞、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文芸賞、2016年日本医療小説大賞を受賞した。他に『平成大家族』『パスティス』『眺望絶佳』『彼女に関する十二章』『ゴースト』等著書多数。
- 著作:
中島 京子の書評/解説/選評
- 『禍』(新潮社)中島 京子
体の奥まで、世界の果てまでの旅世界を席捲したパンデミックのせいで、「禍」という字はすっかり馴染みのものとなり、「か」と打つと手元のパソコン…
書評 - 『キャッチ・アンド・キル』(文藝春秋)中島 京子
もう黙りたくないという切実な思い自らの性被害体験をオンライン上に投稿し、多くの被害者と連帯する運動「#MeToo」は、2017年にアメリカから世界…
書評 - 『エルサレム』(河出書房新社)中島 京子
恐怖と狂気充満、悪夢のリアリズム五月二十九日の夜明け前、死が近づいたミリアは、体の痛みをおして教会を目指すが、戸は開かない。痛みを忘れるほ…
書評 - 『だまされ屋さん』(中央公論新社)中島 京子
家族の解体と再定義の物語とある家族の物語である。夫と死別した七十歳の夏川秋代と、絶縁状態の三人の子どもたち。長男の優志(やさし)は在日コリ…
書評 - 『誓願』(早川書房)中島 京子
知を奪われた女性の戦いと希望『侍女の物語』続編、独裁神権国家、ギレアデ共和国の「その後」の物語だ。侍女オブフレッドが、記憶と現在を手繰り寄…
書評 - 『日本蒙昧前史』(文藝春秋)中島 京子
小説にしか描けない歴史本書の中で扱われる事件は、一九六五年から一九八五年までの二十年間に起こる。冒頭の「グリコ・森永事件」から、続いて起こ…
書評