
1964年東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務を経て渡米。帰国後の2003年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で直木賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ作品賞、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文…もっと読む
- 『エルサレム』(河出書房新社)中島 京子
恐怖と狂気充満、悪夢のリアリズム五月二十九日の夜明け前、死が近づいたミリアは、体の痛みをおして教会を目指すが、戸は開かない。痛みを忘れるほ…
書評 - 『だまされ屋さん』(中央公論新社)中島 京子
家族の解体と再定義の物語とある家族の物語である。夫と死別した七十歳の夏川秋代と、絶縁状態の三人の子どもたち。長男の優志(やさし)は在日コリ…
書評 - 『誓願』(早川書房)中島 京子
知を奪われた女性の戦いと希望『侍女の物語』続編、独裁神権国家、ギレアデ共和国の「その後」の物語だ。侍女オブフレッドが、記憶と現在を手繰り寄…
書評 - 『日本蒙昧前史』(文藝春秋)中島 京子
小説にしか描けない歴史本書の中で扱われる事件は、一九六五年から一九八五年までの二十年間に起こる。冒頭の「グリコ・森永事件」から、続いて起こ…
書評 - 『閉ざされた扉をこじ開ける 排除と貧困に抗うソーシャルアクション』(朝日新聞出版)中島 京子
何のために「社会」を作っているのか2020年前半はコロナ禍と共に過ぎてしまった。「自粛要請」に応じた飲食店が店を再開できず、ライブハウスが廃業…
書評 - 『ウェブスター辞書あるいは英語をめぐる冒険』(左右社)中島 京子
常に動き、変化する言葉への考察本書は、辞書作りの悪戦苦闘を開示してくれるエッセイで、著者はアメリカで最も歴史ある辞書出版社、メリアム・ウェ…
書評 - 『黒川能 1964年、黒川村の記憶』(集英社)中島 京子
五輪の陰もう一つの奇跡黒川能とは、山形県庄内地方、黒川村(現鶴岡市)に伝わる伝統芸能・神事で、500年余の歴史がある。旧暦の正月(2月1日と2日…
書評 - 『遠の眠りの』(集英社)中島 京子
因習から逃れる「女という難民」大正の終わりごろ、福井の小さな村を舞台に、物語は始まる。本が好きでたまらない貧しい農家の娘、絵子(えこ)は、…
書評 - 『となりの難民――日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)中島 京子
非正規滞在者めぐる理不尽な実態本書は、日本に在留する外国人を取り巻く様々な問題、ことに在留資格が得られないことで苦境に陥っている人々に焦点…
書評 - 『熱源』(文藝春秋)中島 京子
「文明」の侵略、丹念に描く1910年(明治43年)、白瀬中尉が探検隊を率いて南極点を目指したとき、隊には樺太犬の犬ぞりを担当した二人の樺太アイヌ…
書評 - 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』(講談社)中島 京子
鮮烈な印象残す物語タイトルは、収められた二十四の短篇(掌篇含む)の中の一作の表題から。こんな文章に読み手はびっくりする。掃除婦が物を盗む…
書評 - 『外は夏』(亜紀書房)中島 京子
危機的状況の人々に寄せる深い洞察七篇の小説を読んで、表紙のタイトルを再び眺めると、読者は作家が用意した繊細なアイロニーをうけとめることにな…
書評 - 『郝景芳短篇集』(白水社)中島 京子
分断進む地球の現実映すいま、世界が注目する中国発SFの、魅力的な書き手の一人である郝(カク)景芳。八十年代生まれの女性作家の描き出す世界は、…
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