
1964年東京都生まれ。東京女子大学文理学部史学科卒業。出版社勤務を経て渡米。帰国後の2003年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で直木賞、2014年『妻が椎茸だったころ』で泉鏡花文学賞、2015年『かたづの!』で河合隼雄物語賞、歴史時代作家クラブ作品賞、柴田錬三郎賞、同年『長いお別れ』で中央公論文…もっと読む
『マーリ・アルメイダの七つの月 上』(河出書房新社)
中島 京子内戦下のスリランカを疾走する幽霊「<はざま>は混雑しすぎです。このままでは<下>の人々の心は汚染されてしまう。あちこち走り回っては人々の耳…
書評
『女の子たち風船爆弾をつくる』(文藝春秋)
中島 京子女学生らが、担わされた戦争風船爆弾とは、戦争中に作られた気球爆弾で、偏西風に乗って敵の本土アメリカまで飛び、直接攻撃を仕掛けることを目的と…
書評
『入管問題とは何か――終わらない〈密室の人権侵害〉』(明石書店)
中島 京子差別、暴力…人権を知らない日本人名古屋入管で収容中に亡くなったスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんの事件以後、「入管問題」は、よう…
書評
『地図と拳』(集英社)
中島 京子架空の村からひもとく国家と戦争もうすぐ8月がやってきて、テレビや新聞は戦争特集を組むだろう。「あの戦争」について語るとき、「太平洋戦争」に…
書評
『私のことば体験』(福音館書店)
中島 京子戦後の絵本界に流れる「祈りの感覚」本書は、戦後日本の絵本界を牽引した著者の自叙伝で、『母の友』という雑誌に二〇〇九年から二〇一一年にかけて…
書評
『密航のち洗濯 ときどき作家』(柏書房)
中島 京子半島、列島の激動期 揺れた人模様尹紫遠(ユンジャウォン)は、1冊の歌集と、いくつかの小説作品を残した。紫遠は筆名で、本名は尹徳祚(トクチョ)…
書評
『わたしのペンは鳥の翼』(小学館)
中島 京子息潜め、多様な日常すくい取る十八人の作家による二十三編の短編が収録される本書は、分厚い本ではない。短編というより掌編と呼んだ方がよいような…
書評
『平和をつくる方法 ふつうの人たちのすごい戦略』(柏書房)
中島 京子インサイダー主導のボトムアップで著者はコロンビア大学の政治学の教授で、二十年に亘(わた)って国際紛争の現場を調査し、援助活動の最前線に立っ…
書評
『ルポ 筋肉と脂肪 アスリートに訊け』(新潮社)
中島 京子勝つための極限の先に食べる喜び「筋肉と脂肪」とはまた、食文化を見つめてきた著者がたどり着いた究極の地点か、とも思う。自らの身体そのものを表…
書評
『千年の歓喜と悲哀 アイ・ウェイウェイ自伝』(KADOKAWA)
中島 京子奪わせてはならない記憶、父子の闘い北京オリンピックのスタジアム「鳥の巣」の建築を手がけたことで知られる艾未未(アイウェイウェイ)は、躊躇な…
書評
『少女、女、ほか』(白水社)
中島 京子膨大なエピソード収斂、深い充足感著者は一九五九年ロンドン生まれ。母方からイギリス人、アイルランド人、ドイツ人の、父方からナイジェリア人、ブ…
書評
『ディンマスの子供たち』(国書刊行会)
中島 京子背筋に戦慄が走る、平凡な町の秘密ディンマス、というのはイングランド南西部、ドーセットの海岸沿いにあるとされる架空の町だそうだ。架空といって…
書評
『イラク水滸伝』(文藝春秋)
中島 京子未知で奥深い世界に誘う「ブリコラージュ」誰も行かないところに行って、誰も思いつかないことをする、辺境ノンフィクション作家の著者は、イラク奥…
書評
『国籍と遺書、兄への手紙――ルーツを巡る旅の先に』(ヘウレーカ)
中島 京子「在日」生きた証、確かめる道程著者は十代で父親と異母兄を亡くしている。1年半の間に相次いで肉親を失った体験は、のちにフォトジャーナリストと…
書評
『禍』(新潮社)
中島 京子体の奥まで、世界の果てまでの旅世界を席捲したパンデミックのせいで、「禍」という字はすっかり馴染みのものとなり、「か」と打つと手元のパソコン…
書評
『キャッチ・アンド・キル』(文藝春秋)
中島 京子もう黙りたくないという切実な思い自らの性被害体験をオンライン上に投稿し、多くの被害者と連帯する運動「#MeToo」は、2017年にアメリカから世界…
書評
『エルサレム』(河出書房新社)
中島 京子恐怖と狂気充満、悪夢のリアリズム五月二十九日の夜明け前、死が近づいたミリアは、体の痛みをおして教会を目指すが、戸は開かない。痛みを忘れるほ…
書評
『だまされ屋さん』(中央公論新社)
中島 京子家族の解体と再定義の物語とある家族の物語である。夫と死別した七十歳の夏川秋代と、絶縁状態の三人の子どもたち。長男の優志(やさし)は在日コリ…
書評
『誓願』(早川書房)
中島 京子知を奪われた女性の戦いと希望『侍女の物語』続編、独裁神権国家、ギレアデ共和国の「その後」の物語だ。侍女オブフレッドが、記憶と現在を手繰り寄…
書評
『日本蒙昧前史』(文藝春秋)
中島 京子小説にしか描けない歴史本書の中で扱われる事件は、一九六五年から一九八五年までの二十年間に起こる。冒頭の「グリコ・森永事件」から、続いて起こ…
書評














