野崎 歓KAN NOZAKI
公式サイト: http://www.l.u-tokyo.ac.jp/teacher/database/170.html
1959年、新潟県生まれ。東京大学文学部卒、東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。現在、放送大学教授、東京大学名誉教授フランス文学研究のほか映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている。著書に『ジャン・ルノワール 越境する映画』(青土社、サントリー学芸賞)、『赤ちゃん教育』(青土社、講談社エッセイ賞)、『フランス文学の扉』(白水uブックス)、『谷崎潤一郎と異国の言語』(中公文庫)、『異邦の香り――ネルヴァル「東方紀行」論』(講談社、読売文学賞)、『フランス文学と愛』(講談社現代新書)、『翻訳教育』(河出書房新社)、『アンドレ・バザン――映画を信じた男』(春風社)、『夢の共有――文学と映画と翻訳のはざまで』(岩波書店)、『水の匂いがするようだ――井伏鱒二のほうへ』(集英社、角川財団学芸賞)など。訳書にトゥーサン『浴室』(集英社、ベルギー・フランス語圏翻訳賞)、バルザック『幻滅』上・下(共訳、藤原書店)、ジャン・ルノワール『ジョルジュ大尉の手帳』(青土社)、サン=テグジュペリ『ちいさな王子』、スタンダール『赤と黒』、ヴィアン『うたかたの日々』、プレヴォー『マノン・レスコー』(いずれも光文社古典新訳文庫)、ウエルベック『地図と領土』(ちくま文庫)、バザン『映画とは何か』(共訳、岩波文庫)など多数。〈プロフィール写真撮影:今村悠馬〉
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