コラム

張 競「2018 この3冊」|山崎正和『リズムの哲学ノート』(中央公論新社)、三浦雅士『孤独の発明』(講談社)、岩尾光代『姫君たちの明治維新』(文藝春秋)

  • 2018/12/22

2018 この3冊

(1)『リズムの哲学ノート』山崎正和著(中央公論新社)

(2)『孤独の発明 または言語の政治学』三浦雅士著(講談社)

(3)『姫君たちの明治維新』岩尾光代著(文春新書)


リズムはとらえるところのないもので、これまで哲学問題として正面から論じられたことはほとんどない。(1)は時間、空間、身体、認識、科学など複数の視点からリズムについて全面的な考察を行った。周期的な動きを動態として捉え、その深層構造と意味作用を解き明かした。

文学批評が低迷する現在、(2)は「俯瞰(ふかん)する眼」を分析概念とし、多様なテクストを参照しながら、批評の新たな可能性を示した。言語や文学の境界を横断し、文字史、宗教史、思想史、ひいては文明史的な哲学思考になっている。

近代史について語るとき、政治の表舞台で活躍する政治家たちが注目されがちだが、彼らの背後に女性がいることは往々にして見落とされている。(3)の著者は驚異的な調査力と取材力を発揮し、近代史の知られざる一面を明らかにした。

リズムの哲学ノート / 山崎 正和
リズムの哲学ノート
  • 著者:山崎 正和
  • 出版社:中央公論新社
  • 装丁:単行本(262ページ)
  • 発売日:2018-03-20
  • ISBN:4120050661
内容紹介:
身体を巡る先人の思索を批判的に継承しつつ、人間至上主義を超えた真の自由の可能性を探究する。積年のテーマに挑んだ集大成の書。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

孤独の発明 または言語の政治学 / 三浦 雅士
孤独の発明 または言語の政治学
  • 著者:三浦 雅士
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(550ページ)
  • 発売日:2018-06-30
  • ISBN:9784062208802
内容紹介:
人間の言語能力をめぐる先端科学の画期的転回から日本人の美意識を貫く天台思想まで――人間存在の根源を問い直す刺激に満ちた論考。

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姫君たちの明治維新 / 岩尾 光代
姫君たちの明治維新
  • 著者:岩尾 光代
  • 出版社:文藝春秋
  • 装丁:新書(264ページ)
  • 発売日:2018-09-20
  • ISBN:4166611844
内容紹介:
お城やお屋敷の奥深くで蝶よ花よと育てられた姫君たちを襲った時代の大波。悲しく、儚く、だけどどこか逞しい女たちの明治維新物語。

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2018年12月9日

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