コラム

中村 桂子「2018 この3冊」|新井紀子『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)、須田桃子『合成生物学の衝撃』(文藝春秋)、横山祐典『地球46億年』(講談社)

  • 2019/01/11

2018 この3冊

(1)『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子著(東洋経済新報社)

(2)『合成生物学の衝撃』須田桃子著(文藝春秋)

(3)『地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来』横山祐典著(講談社ブルーバックス)



科学の眼で地球という星とそこに生れた生きものである人間とを知り、今後の生き方を考えることの重要性を実感し、このテーマを巡る本を選んだ。(1)東大合格という明快な目標を立てAIの能力検証をし、最大の壁は「常識」であることを示す。プロジェクト進行中に学生、生徒の問題読解力に問題ありとわかり、まずこの課題の解決が先とわかったのが興味深い。(2)生物学での人間理解の一つであるゲノム理解に向けて生存に必要な最小ゲノムをもつ最小細胞から始める合成生物学が着実に進んでいる。ゲノム編集技術も加わり、生命観が喫緊の要事となる。(3)最も身近な気候変動を切り口に地球の動きを見る。生物とプレートテクトニクスという地球独自の要素が関わり、数千万年、数万年、数年という単位での動きが重なるダイナミズムに人為が異常をもたらしていないか。気になる。


AI vs. 教科書が読めない子どもたち / 新井 紀子
AI vs. 教科書が読めない子どもたち
  • 著者:新井 紀子
  • 出版社:東洋経済新報社
  • 装丁:単行本(287ページ)
  • 発売日:2018-02-02
  • ISBN:4492762396
内容紹介:
AIの誤解・限界を示す一方で、日本人の読解力の低下を指摘。AI化が進んだ未来の行き着く先は、教育の劣化を伴った最悪の恐慌だ。

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合成生物学の衝撃 / 須田 桃子
合成生物学の衝撃
  • 著者:須田 桃子
  • 出版社:文藝春秋
  • 装丁:単行本(233ページ)
  • 発売日:2018-04-13
  • ISBN:4163908242
内容紹介:
コンピュータ上でDNAを設計した人工生命体が誕生。『わたしを離さないで』の世界が現実になる科学に人間の感情はついていけるか?

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地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来 / 横山 祐典
地球46億年 気候大変動 炭素循環で読み解く、地球気候の過去・現在・未来
  • 著者:横山 祐典
  • 出版社:講談社
  • 装丁:新書(336ページ)
  • 発売日:2018-10-17
  • ISBN:406513515X
内容紹介:
最新の惑星科学が解き明かした、驚くべき地球の気候大変動。なぜ地球の気候はかくも劇的に変化したのか? 謎を解く鍵は炭素にあった

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2018年12月16日

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