- 著者:小林泰三
- 出版社:光文社
- 装丁:新書(208ページ)
- 発売日:2008-10-17
- ISBN-10:4334034780
- ISBN-13:978-4334034788
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(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2008年)■01『日本の国宝、最初はこんな色だった』小林泰三・著/光文社新書/1,050円(税込)
■02『ストラディヴァリウス』横山進一・著/アスキー新書/890円(税込)
■03『ウィーン 都市の近代』田口晃・著/岩波新書/819円(税込)
■04『テレビと宗教 オウム以後を問い直す』石井研士・著/中公新書ラクレ/882円(税込)
■05『破天 インド仏教徒の頂点に立つ日本人』山際素男・著/光文社新書/1,470円(税込)
■06『岡潔 数学の詩人』高瀬正仁・著/岩波新書/777円(税込)
■07『景気ってなんだろう』岩田規久男・著/ちくまプリマー新書/798円(税込)
■08『石油の支配者』浜田和幸・著/文春新書/767円(税込)
■09『できそこないの男たち』福岡伸一・著/光文社新書/861円(税込)
■10『禁煙バトルロワイヤル』太田光・奥仲哲弥・著/集英社新書/714円(税込)
今月(10月発売分)の新刊は145冊。小学館101新書が8冊を携え新創刊しました。売れ線の無難な著者を揃えた、可もなく不可もないラインナップでした。
①「美術刑事」の異名を持つ著者は、日本美術の復元師です。それもデジタルの。作品をコンピュータに取り込み、失われた部分や色彩を推理して、元の姿を再現する。第一章、東大寺大仏殿の「仕事」を見れば「刑事」と呼ばれる由縁が納得されるでしょう。赤青緑……、眼がチカチカする極彩色で飾られた四天王像は戦隊ドラマのヒーローたちのようで、「こんな色だったのか!」とタイトルどおりの感嘆を漏らすこと必至です。しかし「刑事」の仕事はそれで終わりではないと著者はいいます。そこから「何が見えてくるか」、すなわち、当時どのように愛でられていたのかを「逮捕」することが重要なのだと。納得ですが、文化論が説教くさいのが残念。