書評
『カリブの女』(河出書房新社)
あまり知られていないことだが、ラフカディオ・ハーンは生涯を通して二編だけ小説を書いたことがある。本書に収められた「チータ」と「ユーマ」がそうである。作品名はいずれも小説の主人公の呼び名でもある。
「チータ」はアメリカのニューオーリンズ南のメキシコ湾にあるグランド・イル島を舞台とし、「ユーマ」は仏領インド諸島中のマルティニーク島の物語を描いている。いずれもクレオール文化の地域である。そのため、小説に出てくる言葉も多種多彩で、クレオール語だけでなく、フランス語、スペイン語やイタリアの方言も登場してくる。
比較文学者である訳者はラフカディオ・ハーンの研究でもその名が知られ、英語、フランス語やイタリア語など多くの外国語に精通している。今回はその驚異的な語学力を生かし、一力国文学を専攻する者にはなかなか手に負えない作品を見事な日本語に翻訳した。おかげでわれわれはこれまででもっとも信頼できるラフカディオ・ハーンの日本語訳を読むことができた。
【この書評が収録されている書籍】
「チータ」はアメリカのニューオーリンズ南のメキシコ湾にあるグランド・イル島を舞台とし、「ユーマ」は仏領インド諸島中のマルティニーク島の物語を描いている。いずれもクレオール文化の地域である。そのため、小説に出てくる言葉も多種多彩で、クレオール語だけでなく、フランス語、スペイン語やイタリアの方言も登場してくる。
比較文学者である訳者はラフカディオ・ハーンの研究でもその名が知られ、英語、フランス語やイタリア語など多くの外国語に精通している。今回はその驚異的な語学力を生かし、一力国文学を専攻する者にはなかなか手に負えない作品を見事な日本語に翻訳した。おかげでわれわれはこれまででもっとも信頼できるラフカディオ・ハーンの日本語訳を読むことができた。
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