書評

『神曲』(河出書房新社)

  • 2017/09/28
神曲 地獄篇 / ダンテ
神曲 地獄篇
  • 著者:ダンテ
  • 翻訳:平川 祐弘
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:文庫(509ページ)
  • 発売日:2008-11-20
  • ISBN-10:4309463118
  • ISBN-13:978-4309463117
内容紹介:
一三〇〇年春、人生の道の半ば、三十五歳のダンテは古代ローマの大詩人ウェルギリウスの導きをえて、生き身のまま地獄・煉獄・天国をめぐる旅に出る。地獄の門をくぐり、永劫の呵責をうける亡者たちと出会いながら二人は地獄の谷を降りて行く。最高の名訳で贈る、世界文学の最高傑作。第一部地獄篇。
大きな政治的理想を持った一人の詩人が、政争に巻き込まれ、フィレンツェ共和国から追放処分にあう。政治亡命者の元祖ダンテはおのが苦難の遍歴を壮大なコメディに記し、書物のなかにおのが共和国を建設する。生きながらにして彼岸に旅するダンテは一人の詩人の立場を越え、時に罪人、時に地獄に落ちる人類の象徴、時に神の啓示を受け取る預言者に自らをなぞらえた。主人公自身によって一人称過去形で語られる魂の遍歴は、様々な寓意を伴ない、おのずと神秘的な意味を帯びてきた。ダンテは『神曲』を知的階級の言語ラテン語ではなく、女、子どもの言語トスカナ語で書いた。恋人ベアトリーチェに捧げるべきこの書物は彼女の理解できる言語で書かなければ意味はない。『神曲』は俗語で書かれたがゆえに民衆に直接、贖罪の道を示し、のちの宗教改革の下地を準備したことになる。図らずも『神曲』はダンテを追放し、教皇庁と結託したフィレンツェに対して復讐を遂げることになった。

【この書評が収録されている書籍】
必読書150 / 柄谷 行人,岡崎 乾二郎,島田 雅彦,渡部 直己,浅田 彰,奥泉 光,スガ 秀実
必読書150
  • 著者:柄谷 行人,岡崎 乾二郎,島田 雅彦,渡部 直己,浅田 彰,奥泉 光,スガ 秀実
  • 出版社:太田出版
  • 装丁:単行本(221ページ)
  • 発売日:2002-04-01
  • ISBN-10:4872336569
  • ISBN-13:978-4872336566
内容紹介:
現実に立ち向かう知性回復のために本当に必要なカノン(正典)を提出し、読まなくてもいい本を抑圧する、反時代的、強制的ブックガイド。

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

神曲 地獄篇 / ダンテ
神曲 地獄篇
  • 著者:ダンテ
  • 翻訳:平川 祐弘
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:文庫(509ページ)
  • 発売日:2008-11-20
  • ISBN-10:4309463118
  • ISBN-13:978-4309463117
内容紹介:
一三〇〇年春、人生の道の半ば、三十五歳のダンテは古代ローマの大詩人ウェルギリウスの導きをえて、生き身のまま地獄・煉獄・天国をめぐる旅に出る。地獄の門をくぐり、永劫の呵責をうける亡者たちと出会いながら二人は地獄の谷を降りて行く。最高の名訳で贈る、世界文学の最高傑作。第一部地獄篇。

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