定年後「ただ毎日を繰り返す人生」でOK?
あなたは、これまで会社のために働き、都度、成果を体感しながら年齢を重ねてきたので、頑張れば報われるという常識があったかもしれません。しかし、50歳以降は、生き方の二極化が顕著に現れてきます。たとえば、役員に向けさらに飛躍していく人もいれば、役職定年の恐怖に怯え、減らされた給料をどのように補填すれば大切な家族を守ることができるのかと頭を抱えている人もいます。だからといって、今更、新しいことなどできないし、ましてや会社を辞めて起業するなんてことも考えられません。さすがに、50歳まで年齢を重ねてしまうと、急ハンドルを切り路線変更などできないのが、普通の人間です。しかし、会社の給料が今後減らされることはあっても、2倍、3倍と増えていくことなど、ありえません。
「打開策が何もないのか?」そんなことはありません。今の会社を辞めずとも、そして近所にある安い時給のアルバイトの面接に行かずとも、今の給料にプラス50万円の収入を上乗せし、家族を守り幸せを感じる方法はあります。しかも、貴重で忙しい人生の時間を減らすことなく、むしろ、自由な時間を増やした形で収入を上げていくこともできます。
このように言うと、「流行りの仮想通貨ですか?」と思う人もいるでしょうが、そうではありません。
あなたの過去にはない「知らない儲け話」に手を出せば、大火傷します。だから、多くの人は儲けるどころか破滅の道を辿るわけですが、家族を守る立場のあなたに、そんな危険な冒険をさせるわけにはいきません。かといって、50代を迎えたあなたが近所のコンビニで深夜のアルバイトなどカッコ悪くてできません。ということは、怪しげな投資話でも深夜に労働を切り売りする安いバイトでもないわけです。では、どのようにしてプラスアルファーの50万円を手にしていくのか?
それは、「自分ビジネス」を持つということです。
これまで、サラリーマンとして生きてきた人は、「自分でビジネスを持つことなど、本当にできるのか?」と疑問に感じるかもしれませんが、難しく感じる必要はありません。なぜなら、あなたはすでに子供の頃にビジネスを体験し、そのことをすっかり忘れてるにすぎないからです。
その証拠に、こんな経験はありませんか?
たとえば、小さい頃おじいさんやおばあさんの肩をたたき、お小遣いをもらった経験です。その金額が100円なのかそれとも500円なのかは、人によって違うかもしれませんが、肩たたきはまさに、相手が望む「価値」を提ふ供し「対価」を受け取っている経験。これが、ビジネスの基本です。
しかし、ビジネスとなると難しく考えてしまう人も多く、稼ぐことができなくなるわけですが、ビジネスとは本来、非常にシンプルなものです。
相手が必要としている「価値」を提供し、その「対価」を受け取るのが、ビジネスです。
最初はその対価が「ありがとう」という言葉かもしれません。しかし、提供する価値が少し大きくなれば、その「ありがとう」が缶コーヒーに姿を変え、ランチ代に変わります。そして、提供した価値が、缶コーヒーやランチ代ですまないようになれば、対価としてお金がもらえるようになります。
そんな感覚です。
今の生活に50万円が追加されるというだけで生活は一変し、残りの人生の時間を楽しく生きることができますし、これまで苦労をかけ我慢させてきた家族に恩返しすることもできます。そのためには、定年までジッと我慢する生き方を選択するのではなく、限りある残された人生の時間をどのように使い未来に投資していくのかということが大切です。
とはいえ、若い時と違って、肉体的・精神的にも無理がきかないこともあります。ここで大切なことは、大冒険せずに確実に未来を輝かせることです。その小さな半歩が、あなたの未来に分岐点を与え、輝かしいシニアライフを用意してくれます。
50歳という年齢は、諦めの年齢ではありません。第二の人生に向かうための挑戦の時期でもあります。第二の人生を輝かせるためにも、今という時間を吟味しながら大切に使ってください。時間は、有限です。どんなに元気な人であっても寿命は必ずやってきます。テロメアで寿命を延ばしたところで不老長寿になることなどできません。限りある人生の中で、後悔を残す人生を生きるか。それとも、最期の瞬間にやり切ったと堂々と言える人生を過ごすのかは、これからのあなたの生き方で決まります。
[書き手]船ヶ山哲(マーケティングコンサルタント)