解説
『言葉を育てる―米原万里対談集』(筑摩書房)
米原万里の行くところにきまって笑いが興(おこ)った。彼女の生涯の座右銘は「振(ぶ)らないこと」。いい子振らずにいつも卒直に、正直にふるまった。話題は豊富だった。冗談(ジョーク)をたくさん仕込んでもいたし、物事(ものごと)を見る目の角度が常(つね)とはちがっていた。この角度のおもしろさが笑いを生み出していたのである。
対談の相手も彼女の卒直さにすぐ感心して心を開いてくれた。持っているものを惜し気もなく外へ出してくれた。このようにして彼女が行った対談は一つの例外もなくおもしろくて有益な「作品」になった。
対談の相手も彼女の卒直さにすぐ感心して心を開いてくれた。持っているものを惜し気もなく外へ出してくれた。このようにして彼女が行った対談は一つの例外もなくおもしろくて有益な「作品」になった。
初出メディア

米原万里展「ロシア語通訳から作家へ」図録 2008年10月刊
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