前書き

『僕が考える投資について』(祥伝社)

  • 2021/11/04
僕が考える投資について / 松浦 弥太郎
僕が考える投資について
  • 著者:松浦 弥太郎
  • 出版社:祥伝社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(168ページ)
  • 発売日:2021-10-30
  • ISBN-10:4396617674
  • ISBN-13:978-4396617677
内容紹介:
投資対象は自分。
常に先の未来を考え、行動する。

今、自分が持っているお金や時間、知識や経験を使い、
どんな選択をすれば未来をいい状態にできるのか考える。
これが僕の考える投資です。
何にお金と時間を使うべきなのか。
もの選び、価値の高め方、自己投資など
普段、投資を考えているときに気をつけていること。
投資をテーマに、初めて書き下ろした新刊
『僕が考える投資について』より、
「はじめに」を特別公開します。
 

自分の価値を高め、豊かに生きるには

二十代や三十代のみなさんは、きっとお金がないことに不安や悩みを持っているかと思います。お金がたくさんあったらどんなにいいのだろう。お金さえあれば、何ひとつ困ることがなく、毎日が楽しいだろうと。

僕も同じでした。お金のためにがむしゃらになって働いた時期がありました。そうして、いくばくかのお金を手にしたとき(といっても大した金額ではありません)、ふと我に帰って思ったこと。それは、睡眠まで削って、休みなく働いたせいか、身体は疲れ、稼ぐことを優先にしていたせいか友人らとの関係も薄くなり、日々の暮らしがひとつも楽しくなかったことでした。しかも、稼いだお金は欲望のはけ口として使ってしまうだけで、想像していたしあわせやよろこびは見つけられませんでした。安らぎや豊かさは、お金では得られなかったのです。

人生のコンセプトはお金持ちになること。果たしてそのための努力や学び、一生懸命に意味や価値はあるのだろうかと疑問を抱きました。自分はどうなりたいのか。何になりたいのか。豊かさとはなんだろう。そのヴィジョンいわばコンセプトをもう一度考え直したくなったのです。自分は何を目的として生きるのかと。
 

そうやって考えて気づいたことがあります。少なくともお金が先ではないということです。お金だけがあっても、しあわせもよろこびも手にできないし、お金にこだわればこだわるほどに逆にしあわせやよろこびから遠のいていくと感じました。

お金よりも優先するべきことがある。お金とは増やすものではなく、有意義に使うことである。これが僕のひとつの答えです。

まず考えるべきことは、自分はどんな人間になりたいのか。そのことを深く哲学しなければなりません。そう思ったのです。何になりたいのかではなく、どんな人間になりたいのかを自分なりに言語化し、そのビジョンいわばコンセプトのためには何が必要なのか、何を学ぶべきなのか、どうするべきなのかを考える。これからはそのための人生に投資をしていこう。そう決意しました。

昨今注目されている株や投資信託などへの投資についても、そこに意味がないとはいいませんが、それよりも先にするべき自分の人生に対する投資があるのではないか。投資とはお金を増やすことではなく、先の未来を考えることであるならば、何をどんなふうに、何を大切にし、何を学び、何を求めるべきなのかを、ひとつの投資術としてしっかりと日々の習慣として取り入れていく。


今日という一日は未来につながっています。それならば、自分のンビジョンいわばコンセプトに向けて、衣食住・仕事・遊び・学びを、今日自分はどうするのか。目先のお金のためではなく、まずはそのことについて、生き方としての投資があることを伝えたくてこの本を作りました。

ここに書いたのは、僕が考えるもっともリターンが期待できる生き方としての投資術です。ぜひみなさんの未来に役に立てていただけたら嬉しいです。

[書き手] 松浦弥太郎
僕が考える投資について / 松浦 弥太郎
僕が考える投資について
  • 著者:松浦 弥太郎
  • 出版社:祥伝社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(168ページ)
  • 発売日:2021-10-30
  • ISBN-10:4396617674
  • ISBN-13:978-4396617677
内容紹介:
投資対象は自分。
常に先の未来を考え、行動する。

今、自分が持っているお金や時間、知識や経験を使い、
どんな選択をすれば未来をいい状態にできるのか考える。
これが僕の考える投資です。

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