書評

『愛すること、理解すること、愛されること』(河出書房新社)

  • 2024/02/20
愛すること、理解すること、愛されること / 李 龍徳
愛すること、理解すること、愛されること
  • 著者:李 龍徳
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(164ページ)
  • 発売日:2018-08-25
  • ISBN-10:4309027202
  • ISBN-13:978-4309027203
内容紹介:
謎の死を遂げた後輩の妹に招かれ、軽井沢の別荘に集まった四人の男女。過去と現在、そして未来―それぞれが自らの人生を語るうちに、愛と憎しみの感情が渦を巻き始める。究極の会話劇が紡ぎだす新文学!

苦渋の周りを回る言葉

著者の李龍徳は、シンプルそうに見える人間関係に、突然、深い亀裂を作り出して、読者を引き込む。デビュー作の『死にたくなったら電話して』もそうだったが、その世界観は深化している。

軽井沢の別荘に集まった男女の4人。大学時代からの知り合いである彼らを招いたのは、共通の知り合いの女性の妹。その姉は、自殺していた。

とにかく会話しかない小説。楽しそうにイタリアンを作ったり、酒を呑んだりしている最中もずっと話をしているが、彼らの言葉は独特で、人が生きて経験する苦渋の周りをぐるぐると回っている。人間は言葉の動物だ。軽やかで、ちょっと哀感ただよう佳作。李龍徳、ご注目を。


愛すること、理解すること、愛されること / 李 龍徳
愛すること、理解すること、愛されること
  • 著者:李 龍徳
  • 出版社:河出書房新社
  • 装丁:単行本(164ページ)
  • 発売日:2018-08-25
  • ISBN-10:4309027202
  • ISBN-13:978-4309027203
内容紹介:
謎の死を遂げた後輩の妹に招かれ、軽井沢の別荘に集まった四人の男女。過去と現在、そして未来―それぞれが自らの人生を語るうちに、愛と憎しみの感情が渦を巻き始める。究極の会話劇が紡ぎだす新文学!

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2018年9月13日

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