書評

『月夜にランタン』(筑摩書房)

  • 2026/08/29
月夜にランタン / 斎藤 美奈子
月夜にランタン
  • 著者:斎藤 美奈子
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:単行本(299ページ)
  • 発売日:2010-11-01
  • ISBN-10:4480816690
  • ISBN-13:978-4480816696
内容紹介:
落ちつけ!混迷ニッポンのから騒ぎをじっくり観察。少し先の未来のために、必読です。第1章 リーダーの憂鬱(「美しい国」をめざす次期首相のハエ叩き大作戦ゴア参戦でヒートアップする「地… もっと読む
落ちつけ!混迷ニッポンのから騒ぎをじっくり観察。少し先の未来のために、必読です。

第1章 リーダーの憂鬱(「美しい国」をめざす次期首相のハエ叩き大作戦
ゴア参戦でヒートアップする「地球温暖化」の信用度 ほか)
第2章 みんな競走馬(若者を見下す大人による若者論のキレた分析
昨日の志はどこへ団塊世代の懲りない面々 ほか)
第3章 ブームの御利益(ヒーロー不在の隙間を突く「日本一カッコイイ男」
マンガ評論を甘く見た?ある有名学芸賞のお粗末 ほか)
月夜にランタン、夏ヒーター―あとがきにかえて

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

話題のアレコレ斬り尽くす

文芸評論家の斎藤美奈子は、基本的に「調べ魔」である。あれこれ調べてみることに、たぶんいちばんの快楽を覚えるタイプの書き手ではないか。

これまでも本業の文芸評論からのスピンオフ企画はいろいろあった。典型的なのは『冠婚葬祭のひみつ』とか。小説や批評を読むさいに気になった文化事象について書いた本もまた興味深いのである。

この本も体裁はそんな感じ。世の中の事象を斬る! というか、本を介して世の中の動きに接近し、斎藤一流の刀を振り下ろす。この5年間ほどのあいだに話題になった出来事について言及している。ケータイ小説、ロスジェネと『蟹工船』、『ミシュラン』、白洲次郎、「萌(も)え系勉強本」などなど。

一読、やはり文芸評論っぽいものに魅力を感じた。たとえば、村上春樹『1Q84』と大江健三郎の『水死』。共通項として「闘う女」を挙げる。性暴力被害を受け、そこから立ち直るために「闘う女」となった経緯や、最後は妊娠することで「聖化」されることなどを、独特の語りで分析。

ライヴ感いっぱいの文章に脚注を添えて、現時点での分析も加味。至れり尽くせりの文化時評である。


月夜にランタン / 斎藤 美奈子
月夜にランタン
  • 著者:斎藤 美奈子
  • 出版社:筑摩書房
  • 装丁:単行本(299ページ)
  • 発売日:2010-11-01
  • ISBN-10:4480816690
  • ISBN-13:978-4480816696
内容紹介:
落ちつけ!混迷ニッポンのから騒ぎをじっくり観察。少し先の未来のために、必読です。第1章 リーダーの憂鬱(「美しい国」をめざす次期首相のハエ叩き大作戦ゴア参戦でヒートアップする「地… もっと読む
落ちつけ!混迷ニッポンのから騒ぎをじっくり観察。少し先の未来のために、必読です。

第1章 リーダーの憂鬱(「美しい国」をめざす次期首相のハエ叩き大作戦
ゴア参戦でヒートアップする「地球温暖化」の信用度 ほか)
第2章 みんな競走馬(若者を見下す大人による若者論のキレた分析
昨日の志はどこへ団塊世代の懲りない面々 ほか)
第3章 ブームの御利益(ヒーロー不在の隙間を突く「日本一カッコイイ男」
マンガ評論を甘く見た?ある有名学芸賞のお粗末 ほか)
月夜にランタン、夏ヒーター―あとがきにかえて

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2010年12月15日

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