『イザベルに: ある曼荼羅』(河出書房新社)

大竹 昭子
うつろう時の流れに棹さす写真2012年に他界したタブッキのたくらみに満ちた遺作。どこに反応するかは人それぞれだろう。『レクイエム』との重なりに…
書評
2007年より都内の古書店を会場にトークと朗読のイベント<カタリココ>を開催。二〇一九年にはその活動から生まれた「カタリココ文庫」を創刊、<対談シリーズ>と<随想シリーズ>に分けて年三冊のペースで刊行している。
カタリココ文庫:https://katarikoko.stores.jp
カタリココHP:http://katarikoko.blog40.fc2.com
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自意識を振り払う、詩人の挑戦初対面の人が「音楽やってます」と自己紹介したら親しみを持つけれど、「詩を書いてます」だったら一瞬、言葉に詰まる…
謎めいた人間の真実を凝視体を一つの容れ物とみなすなら、そこに収まっている器官や心は私の持ち物であり、それを扱う主人は自分であると思って私た…