- 著者:松本 卓也
- 出版社:人文書院
- 装丁:単行本(296ページ)
- 発売日:2018-03-09
- ISBN-10:4409340514
- ISBN-13:978-4409340516
- 内容紹介:
- 精神分析が導く現代資本主義社会の突破口
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(1)ラカン派の俊英による社会論。ラカンを精緻に読み解きながらも原理主義に陥らない柔軟性に新世代の希望を感ずる。アルゴリズム化する思想の潮流に抗(あらが)う主体の思想を擁護する立場から、著者の姿勢は応援したい。
(2)悲観的な未来予測は無数にあるが、人口統計上は、世界はあらゆる面で良くなっている。暴力も差別も貧困も、一〇〇年単位で見れば激減しているのだ。進歩を破壊しないためには、正しい知識の継承が必要と著者は説く。
(3)芸術とは、諸感覚から普遍的な秩序=形式を把握する抽象作用という認識プロセスにかかわるための装置である。美術史の深層構造に、こうした「抽象に至るプロセス」を想定し、豊富な図版とともに美術史を再定義する大著。決定版とも言うべき熊谷守一論も読み応えがある。