コラム
村上 陽一郎「2018 この3冊」|鷲見洋一『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』(ぷねうま舎)、鈴木貞美『日本人の自然観』(作品社)、高橋義人『悪魔の神話学』(岩波書店)
2018 この3冊
(1)『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』鷲見洋一著(ぷねうま舎)
(2)『日本人の自然観』鈴木貞美著(作品社)
(3)『悪魔の神話学』高橋義人著(岩波書店)
(1)『一八世紀 近代の臨界 ディドロとモーツァルト』は本紙(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆媒体は毎日新聞)でも紹介したので、詳述はしないが、学としての深みだけでない魅力に溢(あふ)れていた。
(2)『日本人の自然観』は実はまだ完全には読み切れていない(2018年10月30日刊)。大冊のゆえでもあり、いちいち考えさせられたり、改めて調べ直したり、という作業を強制する書物だからだ。それでも、この浩瀚(こうかん)な内容と問題提起とは、推挙を躊躇(ちゅうちょ)させない。
(3)『悪魔の神話学』はここではいささか(かなり、かな)躊躇があった。それだけ個性的な、問題含みの書物。しかし、著者畢生(ひっせい)の作品であることは間違いがない。私には、正しく反応する力はないが、学界からでも、あるいは宗教界からでも、私の知る限りでは、今のところ目立った反応がないのは寂しい。
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