鉄笛と春曙―近代演技のはじまり
- 著者:北見 治一
- 出版社:晶文社
- 装丁:-(285ページ)
- 発売日:1978-05-00
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日本の時代物の如く、考え考えゆっくり言うような処は絶無と云っても可い位で、どの場でも数千言の言葉が、滔々として口を衝いて出、句切句切で思入をすると云うところは殆んどありません。孰(いず)れも感情の発すると同時に、火の燃ゆるが如く、熱して来るので、此(これ)をやるには余程音量があって、力があって、呼吸が続かなければ駄目です
逆説的にいうなら、劇団が理念のうえの大義名分によって離合するなどは、愚の骨頂である。むしろ単純明快な、人間的な好悪を基にして集散したほうが、つまりタテマエよりもホンネをあらわにさせたほうが、まだしも無駄な手数やエネルギーが省けるのではないか?