コラム
永江 朗「2023年 この3冊」毎日新聞|<1>津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)、<2>木内昇『かたばみ』(KADOKAWA)、<3>玉置太郎『移民の子どもの隣に座る 大阪・ミナミの「教室」から』(朝日新聞出版)
2023年「この3冊」
<1>津村記久子『水車小屋のネネ』(毎日新聞出版)
<2>木内昇『かたばみ』(KADOKAWA)
<3>玉置太郎『移民の子どもの隣に座る 大阪・ミナミの「教室」から』(朝日新聞出版)
子供のことが気になる1年だった。子供を大切にしない社会に未来はない。<1>は本紙に連載された長編小説。親に大切にされなかった子供が、他人に親切にされて成長していく。親切にされた子供は、成長して他人に親切にする。賢いヨウム(オウムの一種)のネネがいいところで活躍。<2>も新聞小説。戦時中から戦後まもなくの東京郊外が舞台。他人の子供の親になることにした元槍投げ選手の女性と、世の中を斜めから見るのが得意な男性、そして彼らを支える人々。<3>は大阪・ミナミで移民の子供の学習サポートをするボランティアについてのノンフィクション。大人の都合で言葉も習慣も異なる環境にいきなり放り込まれた子供たちを手伝う人々。戸惑い、傷つき、悩む子供たちが印象的だ。著者が留学中に体験したイギリスの実例も紹介される。ALL REVIEWSをフォローする






























