書評

『知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎』(実業之日本社)

  • 2017/11/04
知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎  / 浅井 建爾
知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎
  • 著者:浅井 建爾
  • 出版社:実業之日本社
  • 装丁:単行本(202ページ)
  • 発売日:2007-09-19
  • ISBN-10:4408107123
  • ISBN-13:978-4408107127
福島県にある、たった幅1メートル弱、長さ7・5キロの県域。石川県が、かつて人口が日本一だったという事実。現在も23の都県に存在する県境未定地……。全国各地の境界線にまつわる意外な事実がずらりと並び、知識欲が刺激されると同時に、なんだか旅心もくすぐられる。

著者は地理関連の著作を多く持つ。本書は持ち込みで、実業之日本社を選んだのは、愛読していた「ブルーガイド」の版元で、地図制作に信頼がおけたからだとか。「持ち込みの段階で、きっちりした手書きの県境地図も添付されてありました。原稿も丁寧でバランスがよく、これはぜひと、拝読してすぐ著者に会いにいきました」と、担当編集者の岩野裕一さん。

昨年9月に刊行、三省堂書店神保町本店で大々的に展開して火がついた。東京駅や浜松町といった旅の出発点近辺の書店でも、とりわけ売れ行き好調。また、マスコミ受けがよかったのも本書の特徴。県境の現地ロケや関連クイズと合わせてたっぷり時間を割いて紹介されることが多く、認知度を高めた。

読者層は小学生から90代まで、男性が3分の2。地図や歴史好きとは限らず、「“県民性”がはやったこともあり、みなさん“県境”という言葉にグッとくるようです」と、岩野さん。読者はがきでは「勉強になりました」という声が圧倒的。

ただ面白いだけでなく、強引に決められた境界線のほころびや、打算の絡んだ争いといった深刻な背景も見えてくる。もちろん、一冊ですべて掘り下げて紹介するのは無理。でも、読み手にとっては、知らなかった問題に気づかせてくれる、貴重な糸口ともなっているようだ。
知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎  / 浅井 建爾
知らなかった! 驚いた! 日本全国「県境」の謎
  • 著者:浅井 建爾
  • 出版社:実業之日本社
  • 装丁:単行本(202ページ)
  • 発売日:2007-09-19
  • ISBN-10:4408107123
  • ISBN-13:978-4408107127

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朝日新聞

朝日新聞 2008年5月25日

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