書評

『童貞放浪記』(幻冬舎)

  • 2018/08/13
童貞放浪記 / 小谷野 敦
童貞放浪記
  • 著者:小谷野 敦
  • 出版社:幻冬舎
  • 装丁:文庫(238ページ)
  • 発売日:2009-06-01
  • ISBN:434441330X
内容紹介:
T大出だが童貞の大学講師、金井淳・三十歳は、好きになった後輩、北島萌・二十七歳と同衾にまでこぎつけた。まず萌が手で淳のペニスを愛撫し、淳も萌の陰部を探った。萌は濡れていた。少し愛撫して中へ指を入れてすぐに淳は自分の無知を痛感した。そこがそんなに複雑な構造だとは知らなかったのだ。淳は緊張した-(「童貞放浪記」)。他、二編。

人間を知る、自分を知る

私小説集。表題作もいいが「黒髪の匂う女」がとくにイイ。名誉名声と美女がスキ。小学生のように強欲で自己中心的。底抜けの楽観と驚くべき悲観の呉越同舟。ねたみ・そねみ・つらみ・うらみ・ひがみのオンパレード。書いてあることは基本的にその5つだけ。人間の愚と醜の全面露出だ。

初めて読む人は心の底からへきえきするだろう。僕もそうだった。が、何事も我慢が大切。そのうちに人間の「強い弱さ」の迫力が分かってくる。泥沼から普遍的な人間の本質がどろりどろどろと浮かび上がる。

程度の差こそあれ、人間なんてこんなもの。人間を知る。そして、自分を知る。日頃の仕事で表面的な「強さ」「正しさ」ばかり求められている大人にお薦めする。
童貞放浪記 / 小谷野 敦
童貞放浪記
  • 著者:小谷野 敦
  • 出版社:幻冬舎
  • 装丁:文庫(238ページ)
  • 発売日:2009-06-01
  • ISBN:434441330X
内容紹介:
T大出だが童貞の大学講師、金井淳・三十歳は、好きになった後輩、北島萌・二十七歳と同衾にまでこぎつけた。まず萌が手で淳のペニスを愛撫し、淳も萌の陰部を探った。萌は濡れていた。少し愛撫して中へ指を入れてすぐに淳は自分の無知を痛感した。そこがそんなに複雑な構造だとは知らなかったのだ。淳は緊張した-(「童貞放浪記」)。他、二編。

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初出メディア

週刊ダイヤモンド

週刊ダイヤモンド 2014年12月20日

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