書評
『有名人の法則』(河出書房新社)
現在、有名人とはテレビに出ている普通の人である。「有名人だからテレビにでるのではなく、テレビにでているから有名人」なのである。しかしこの「有名人」は、なぜか女性の「恋愛的興味」をかきたてる。というのも、その「興味とは『ひと』によせるキョーミであって、そのひとが何をしたか、その仕事にたいする関心ではありません。いちど、テレビでおなじみの顔になってしまえば、なぜテレビにでたのかなんて、もともとの理由などなんでもかまわない」。
一方、男たちはあいも変わらず、自分や他人の業績や所有物を比較し、その僅(わず)かな差をもって、「おれのほうがデキル」と確認すること以外に楽しみがない。男たちは、ひたすら嫉妬をエネルギーとして貯め込み、永遠の優位性の戦争を続ける。だが、女たちはこうしたデキル「男」の価値にはまったく関心を払わず、テレビ的な「有名人」にしか恋心を感じない。かくして、男と女の興味は永遠にまじわることがない。バルザックの『幻滅』をテキストに使った、痛快な「有名人VS偉人」論。
【この書評が収録されている書籍】
一方、男たちはあいも変わらず、自分や他人の業績や所有物を比較し、その僅(わず)かな差をもって、「おれのほうがデキル」と確認すること以外に楽しみがない。男たちは、ひたすら嫉妬をエネルギーとして貯め込み、永遠の優位性の戦争を続ける。だが、女たちはこうしたデキル「男」の価値にはまったく関心を払わず、テレビ的な「有名人」にしか恋心を感じない。かくして、男と女の興味は永遠にまじわることがない。バルザックの『幻滅』をテキストに使った、痛快な「有名人VS偉人」論。
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