書評

『箱根駅伝 青春群像』(講談社)

  • 2017/11/23
箱根駅伝 青春群像 / 佐藤 三武朗
箱根駅伝 青春群像
  • 著者:佐藤 三武朗
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(210ページ)
  • 発売日:2013-10-18
  • ISBN:4062186489
内容紹介:
日大駅伝部部長として長年箱根駅伝を指揮。2010年のシード落ちを元に、駅伝にかける人々の泣き笑いと知られざる駆け引きを描く。

「日本精神」凝縮した総合芸術

「箱根駅伝」が、あと3週間足らずでやってくる(事務局注:初出は2013年12月15日)。たとえ贔屓(ひいき)の大学がなくても、観(み)入ってしまうのはなぜだろう。そんな疑問に明快に答えを出してくれるのが本書だ。

箱根駅伝に参加しているのは襷(たすき)をつなぐ10人だけではない。背後には監督、部長、部員たち、付き添い、補助役員、救護係、予選で負けた大学の選手がいる。そして警察や数限りないボランティアに支えられて来年で90回という時間の襷もつないできた。

コースには「上り坂」、「下り坂」に加えて想定外の「魔坂(まさか)」も待ち構えている。展開するドラマに観る側は自分の人生を重ね合わせる。箱根駅伝は「総合力」「組織力」を競うスポーツであると同時に「日本人の精神」を凝縮した「総合芸術」なのだ。 この芸術は、正月の行事として、近年さらに特別な輝きを放っている。それは「失われた20年」で日本の失ったものが、GDP(国内総生産)だけではなかったことを示していると思えてならない。
箱根駅伝 青春群像 / 佐藤 三武朗
箱根駅伝 青春群像
  • 著者:佐藤 三武朗
  • 出版社:講談社
  • 装丁:単行本(210ページ)
  • 発売日:2013-10-18
  • ISBN:4062186489
内容紹介:
日大駅伝部部長として長年箱根駅伝を指揮。2010年のシード落ちを元に、駅伝にかける人々の泣き笑いと知られざる駆け引きを描く。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2013年12月15日

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