退屈な読書
- 著者:高橋 源一郎
- 出版社:朝日新聞社
- 装丁:単行本(253ページ)
- 発売日:1999-03-00
- ISBN-13:978-4022573759
- 内容紹介:
- 死んでもいい、本のためなら…。すべての本好きに贈る世界でいちばん過激な読書録。
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山下 だから・・・・・・「ただ、なんとなく」っていうのがあるんじゃないかな。こっちが「なんでAVやってるの?」って聞いても、「なんとなく」って言葉以外に出て来るのは「ギャラがいいから」ってことになっちゃうから。その「なんとなく」を言葉にちゃんとできる人は、あんまりAVに出ないのかも知れない。
――たしかに、格好とか見ても、いわゆる“そのへんにいる子”ですからね。新宿を一時間も歩いたら、この子に似た子なんてうじゃうじゃいるでしょう。
山下 愛読書が「JJ」ですからね。
――それで、好きなブランドはシャネル、最近買ったのはプラダのバッグ。
山下 だから「JJ」を読むこと自体がAVギャルへの第一歩なんですよ。
――そう言う山下さんだって、相変わらず毎号読んでるんでしょ?
山下 読んでますよ。あれはひどい。
――どこがひどいんですか?
山下 物欲を煽るだけ煽って、手に入れる方法は買うしかないわけだから。そうすると金が必要になってくるわけで、そこでみんなAVギャルになっちゃうわけですよ。だって、この子の場合、一カ月の収入が五万円ですよ。そんなんじゃあ、なかなかバッグも買えないですよ。
――それはそうですけど……