書評

『射精責任』(太田出版)

  • 2023/11/15
射精責任 / ガブリエル・ブレア
射精責任
  • 著者:ガブリエル・ブレア
  • 翻訳:村井 理子
  • 出版社:太田出版
  • 装丁:単行本(216ページ)
  • 発売日:2023-07-21
  • ISBN-10:4778318781
  • ISBN-13:978-4778318789
内容紹介:
全米騒然ニューヨークタイムズ・ベストセラー世界9カ国で翻訳刊行前からSNSで話題沸騰!望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。女性が世界一ふしだらなビッチだったとし… もっと読む
全米騒然
ニューヨークタイムズ・ベストセラー
世界9カ国で翻訳
刊行前からSNSで話題沸騰!

望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。
女性が世界一ふしだらなビッチだったとしても、何の問題もない。

女性の50倍の生殖能力を持ち、
コンドームを着用したセックスは気持ち良くないという偏見に囚われ、
あらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が、
無責任な射精をしたときのみ起きる。

望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す28個の提言。

「セックスをする人、セックスをしたい人、あるいは将来セックスをするかもしれない人を育てている人にとって、必読の書」(ワシントン・ポスト紙)

【目次】

はじめに すべて男性にかかっているのです /1 男性の生殖能力は、女性の50倍/2 精子は最長5日間生き続ける/3 女性の排卵時期は、予測できない/4 排卵はコントロールできないが、射精は違う/5 女性用避妊具は、手に入れにくくて、使いにくい/6 男性用避妊具は、驚くほど簡単に手に入る/7 男性はコンドームが嫌いだというのは、思い込みにすぎない/8 精管結紮術は、卵管結紮術に比べて、リスクが低い/9 女性に避妊を期待しすぎている/10 男性が楽をできるなら、女性が苦しむのはしかたない?/11 セックスの最優先事項と目的は男性の喜びだ、と社会が教えている/12 女性は快楽なしで妊娠できる/13 望まない妊娠は、すべて男性に責任がある/14 自分の体にも、男性の体にも、責任を持つのは女性である/15 ターゲットを男性に絞る必要がある/16 男性の行動に責任を持たせることは、女性を被害者にしない/17 男女間の力の差は、簡単に暴力に繫がる/18 女性は妊娠から途中退場できない/19 妊娠と出産は正しく語られていない/20 子育ての現実と負担は計り知れない/21 妊娠が罰になるべきではない/22 養子縁組は中絶の代わりにはならない/23 無責任な射精をする男性のリスクはゼロ/24 精子は危険である/25 認めたくないみたいだけれど、男性は自分の肉体や性欲を管理できる/26 男性は自分が中絶を簡単に回避できると知っているが、そうしようとはしない/27 私たちは答えを知っている/28 行動に移そう /解説 齋藤圭介 /訳者あとがき 村井理子
とても重要でシンプルなことがストレートに書かれている。望まない妊娠はすべて男性に責任があるということを、著者はさまざまな角度から指摘する。

男性さえちゃんと避妊をすれば、望まない妊娠は起きない。それはちょっと考えればわかる当然のこと。だけど、望まない妊娠は後を絶たない。その結果は中絶手術か、あるいは望まない出産となる。齋藤圭介による秀逸な解説によると、日本では年間12万6174件(2021年度)の中絶手術が実施されているそうだ。繰り返すが、これは男性の無責任な射精の結果だ。

妊娠にしても中絶にしても、女性の負担は大きい。肉体的な負担だけでなく、精神的なそれも。心身の苦痛や影響が長期にわたって続くこともある。望まない出産の果てに嬰児殺しや育児放棄が起きることもある。罪に問われ社会から袋だたきにされるのは女性だけだ。避妊せずに精子を放出した男性はおとがめなし。

望まない妊娠を防ぐ方法は簡単だ。男性がコンドームをつけるだけ。コンドームをいやがる男は大バカ者である。もしもぼくに子供や孫がいたら、本書とコンドームを渡したい。
射精責任 / ガブリエル・ブレア
射精責任
  • 著者:ガブリエル・ブレア
  • 翻訳:村井 理子
  • 出版社:太田出版
  • 装丁:単行本(216ページ)
  • 発売日:2023-07-21
  • ISBN-10:4778318781
  • ISBN-13:978-4778318789
内容紹介:
全米騒然ニューヨークタイムズ・ベストセラー世界9カ国で翻訳刊行前からSNSで話題沸騰!望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。女性が世界一ふしだらなビッチだったとし… もっと読む
全米騒然
ニューヨークタイムズ・ベストセラー
世界9カ国で翻訳
刊行前からSNSで話題沸騰!

望まない妊娠は、セックスをするから起きるのではない。
女性が世界一ふしだらなビッチだったとしても、何の問題もない。

女性の50倍の生殖能力を持ち、
コンドームを着用したセックスは気持ち良くないという偏見に囚われ、
あらゆる避妊の責任を女性に押し付ける男性が、
無責任な射精をしたときのみ起きる。

望まない妊娠による中絶と避妊を根本から問い直す28個の提言。

「セックスをする人、セックスをしたい人、あるいは将来セックスをするかもしれない人を育てている人にとって、必読の書」(ワシントン・ポスト紙)

【目次】

はじめに すべて男性にかかっているのです /1 男性の生殖能力は、女性の50倍/2 精子は最長5日間生き続ける/3 女性の排卵時期は、予測できない/4 排卵はコントロールできないが、射精は違う/5 女性用避妊具は、手に入れにくくて、使いにくい/6 男性用避妊具は、驚くほど簡単に手に入る/7 男性はコンドームが嫌いだというのは、思い込みにすぎない/8 精管結紮術は、卵管結紮術に比べて、リスクが低い/9 女性に避妊を期待しすぎている/10 男性が楽をできるなら、女性が苦しむのはしかたない?/11 セックスの最優先事項と目的は男性の喜びだ、と社会が教えている/12 女性は快楽なしで妊娠できる/13 望まない妊娠は、すべて男性に責任がある/14 自分の体にも、男性の体にも、責任を持つのは女性である/15 ターゲットを男性に絞る必要がある/16 男性の行動に責任を持たせることは、女性を被害者にしない/17 男女間の力の差は、簡単に暴力に繫がる/18 女性は妊娠から途中退場できない/19 妊娠と出産は正しく語られていない/20 子育ての現実と負担は計り知れない/21 妊娠が罰になるべきではない/22 養子縁組は中絶の代わりにはならない/23 無責任な射精をする男性のリスクはゼロ/24 精子は危険である/25 認めたくないみたいだけれど、男性は自分の肉体や性欲を管理できる/26 男性は自分が中絶を簡単に回避できると知っているが、そうしようとはしない/27 私たちは答えを知っている/28 行動に移そう /解説 齋藤圭介 /訳者あとがき 村井理子

ALL REVIEWS経由で書籍を購入いただきますと、書評家に書籍購入価格の0.7~5.6%が還元されます。

初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2023年9月9日

毎日新聞のニュース・情報サイト。事件や話題、経済や政治のニュース、スポーツや芸能、映画などのエンターテインメントの最新ニュースを掲載しています。

  • 週に1度お届けする書評ダイジェスト!
  • 「新しい書評のあり方」を探すALL REVIEWSのファンクラブ
関連記事
永江 朗の書評/解説/選評
ページトップへ