書評

『文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ』(PHP研究所)

  • 2023/05/22
文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ / 香川 元太郎
文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ
  • 著者:香川 元太郎
  • 出版社:PHP研究所
  • 装丁:単行本(32ページ)
  • 発売日:2005-12-20
  • ISBN-10:4569685749
  • ISBN-13:978-4569685748
内容紹介:
歴史考証イラストの専門家・香川元太郎氏が古代文明をテーマにして書き下ろした迷路と隠し絵の絵本。内容は、(1)「森の遺跡」、 (2)「エジプト文明」、 (3)「メソポタミア文明」、 (4)「イン… もっと読む
歴史考証イラストの専門家・香川元太郎氏が古代文明をテーマにして書き下ろした迷路と隠し絵の絵本。
内容は、(1)「森の遺跡」、 (2)「エジプト文明」、 (3)「メソポタミア文明」、 (4)「インド文明」、 (5)「中国文明」、 (6)「エーゲ・ギリシア文明」、 (7)「ローマ文明」、 (8)「ケルト文明」、 (9)「南太平洋文明」、 (10)「マヤ文明」、 (11)「インカ文明」、 (12)「アトランティス」の全12画面、それぞれの詳細な答え頁もついています。日本の (1)「森の遺跡」の迷路を抜け、隠し絵をみつけると、ピラミッドが建設された (2)「エジプト文明」に到達。その次は (3)「メソポタミア文明」というように、各迷路と隠し絵を探し出し各画面を順順に制覇して (12)「アトランティス」に向かいます。全ての迷路と隠し絵をみつけた後に「もう一度、時空の旅」という追加のクイズが待っています。
大好評『時の迷路』に続き細密な香川ワールドが展開する子どもだけでなく、大人も楽しめる絵本です。

親子で楽しむ隠し絵

弟夫婦を誘って、沖縄子連れ旅を楽しんできた。息子は、前回の沖縄旅行でイルカに夢中になり、その後イルカの本を熱心に読んでいたことは、すでにご紹介した。本でさまざまなことを知ると、さらにまた本物に会いたくなってしまうらしい。イルカ熱は冷めるところを知らず、今回は一緒に海に入る(といっても膝ぐらいまでだが)プログラムに挑戦した。

昼間見たイルカの真似をする吾子がベッドの海を泳ぎつづける

印象的だったのは、イルカが胸びれを使って握手(あくしゅ)してくれたときの感触だ。

「かたいね~」

「うん、かたい。背中とかお首よりも、かたい」

指導してくれたお姉さんが、すかさず教えてくれる。

「ここは、人間の手と同じで、中に指のような感じで骨があるんですよ」

そうか、だからかたいのだ。旅から帰って、再びイルカの本を開くと、骨の図版がある。見れば、確かに指のような骨だ。

「これこれ、これがあるから、かたかったんだね!」

読書と体験のリンク……なんて言うと大げさだが、読むことが体験を支え、体験することがまた読書の楽しみを広げる、というふうになっていってくれたらいいな、と思う。

さて、前置きが長くなってしまったが、今回の旅の収穫のひとつに「旅のおともにぴったりな本との出会い」がある。

文明の迷路~古代都市をめぐってアトランティスへ』。一緒に旅行した甥(おい)っ子が持参していたものだ。さまざまな古代文明をテーマにした緻密(ちみつ)な絵があり、その絵の中には迷路やクイズや隠し絵が仕込まれている。

「ライオンはどこかな~」「あっ、ここにはワニがいるよ」「つぎは、キリン。どっちが早く見つけるか、競争しよう」

親子で盛り上がりながら、ゲーム感覚で楽しく遊べる本だ。ページごとに緩やかなつながりはあるものの、ストーリーがあるわけではないので、ちょっとした待ち時間などに、もってこい。大判で、ちょうど見開き二ページずつで完結しているところは、乗り物に乗っているときなど、実にありがたい。

もちろん「旅行用」として甥っ子は購入したわけではなく、今一番お気に入りのものということで持って来た。が、旅先で出会った私は、この本の旅行向きなところに、いたく感心してしまった。

隠し絵というのは、意外と子どものほうが見つけるのが得意だったりして、息子は私を負かしては、もう鼻高々である。大人でもけっこう夢中になれるもので、弟夫婦も「実は自分たちもハマっている」とのこと。

ちなみに、ホテルの近くに真栄田(まえだ)岬という岬があって、その近くに磯(いそ)遊びに行ったときのこと。弟が景色を眺めながら、ふいにつぶやいた。

「あ~、あの岬の中に、犬の横顔が見える……これって、隠し絵のやりすぎかな」

【この書評が収録されている書籍】
かーかん、はあい 子どもと本と私 / 俵万智
かーかん、はあい 子どもと本と私
  • 著者:俵万智
  • 出版社:朝日新聞出版
  • 装丁:文庫(224ページ)
  • 発売日:2012-05-08
  • ISBN-10:4022646667
  • ISBN-13:978-4022646668
内容紹介:
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名… もっと読む
6歳になった今も、息子は絵本を持って母のもとへやってくる――。子育てをする歌人が、子どものために選び、自身も心を揺り動かされた絵本48冊を紹介したエッセイ。母親世代にも懐かしい不朽の名作から、図鑑、ことば遊び、シュールなものまで、幅広く選んでいる。成長に応じた絵本探しの参考として、また母と子のあたたかな交流を描いた本として楽しい一冊。単行本全2巻を1冊にまとめて文庫化。

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文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ / 香川 元太郎
文明の迷路 古代都市をめぐってアトランティスへ
  • 著者:香川 元太郎
  • 出版社:PHP研究所
  • 装丁:単行本(32ページ)
  • 発売日:2005-12-20
  • ISBN-10:4569685749
  • ISBN-13:978-4569685748
内容紹介:
歴史考証イラストの専門家・香川元太郎氏が古代文明をテーマにして書き下ろした迷路と隠し絵の絵本。内容は、(1)「森の遺跡」、 (2)「エジプト文明」、 (3)「メソポタミア文明」、 (4)「イン… もっと読む
歴史考証イラストの専門家・香川元太郎氏が古代文明をテーマにして書き下ろした迷路と隠し絵の絵本。
内容は、(1)「森の遺跡」、 (2)「エジプト文明」、 (3)「メソポタミア文明」、 (4)「インド文明」、 (5)「中国文明」、 (6)「エーゲ・ギリシア文明」、 (7)「ローマ文明」、 (8)「ケルト文明」、 (9)「南太平洋文明」、 (10)「マヤ文明」、 (11)「インカ文明」、 (12)「アトランティス」の全12画面、それぞれの詳細な答え頁もついています。日本の (1)「森の遺跡」の迷路を抜け、隠し絵をみつけると、ピラミッドが建設された (2)「エジプト文明」に到達。その次は (3)「メソポタミア文明」というように、各迷路と隠し絵を探し出し各画面を順順に制覇して (12)「アトランティス」に向かいます。全ての迷路と隠し絵をみつけた後に「もう一度、時空の旅」という追加のクイズが待っています。
大好評『時の迷路』に続き細密な香川ワールドが展開する子どもだけでなく、大人も楽しめる絵本です。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2008年4月23日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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