書評
『キリスト教綱要 初版』(講談社)
カルヴァンの『キリスト教綱要』はプロテスタント最初の神学書。ルターを越えて救済予定説を説いたので有名だ。五六三頁とぶ厚い。
『綱要』は、議論が膨らみ修正を重ねるうちにどんどん改訂された。救済予定説はそうして明確になったもの。初版には書かれていない。
内容は、律法/信仰/祈り/サクラメント(秘蹟)について、が第一章~第四章。七つの秘蹟のうち洗礼と聖餐のほかは秘蹟でないとする。第五章は残り五つに根拠がないことの論証。第六章は自由と教会と政治について。カトリック教会に真正面からケンカを売っている。議論の大枠はほぼルターを踏襲している。
カルヴァンの一派はカルヴァン派として拡がり、イングランドではピューリタン(清教徒)と呼ばれた。彼らはメイフラワー号で新大陸に渡りアメリカ建国につながった。本書の出版は世界史の大事件なのだ。
社会学者マックス・ウェーバーはカルヴァン派の思考と行動(世俗内禁欲)が資本主義を生み出したと説いた。その秘密が本書に詰まっている。イエスの教えと聖書の証明だけに基づき自分の道を進め。近代を生み出した熱情が溢れる書物である。
『綱要』は、議論が膨らみ修正を重ねるうちにどんどん改訂された。救済予定説はそうして明確になったもの。初版には書かれていない。
内容は、律法/信仰/祈り/サクラメント(秘蹟)について、が第一章~第四章。七つの秘蹟のうち洗礼と聖餐のほかは秘蹟でないとする。第五章は残り五つに根拠がないことの論証。第六章は自由と教会と政治について。カトリック教会に真正面からケンカを売っている。議論の大枠はほぼルターを踏襲している。
カルヴァンの一派はカルヴァン派として拡がり、イングランドではピューリタン(清教徒)と呼ばれた。彼らはメイフラワー号で新大陸に渡りアメリカ建国につながった。本書の出版は世界史の大事件なのだ。
社会学者マックス・ウェーバーはカルヴァン派の思考と行動(世俗内禁欲)が資本主義を生み出したと説いた。その秘密が本書に詰まっている。イエスの教えと聖書の証明だけに基づき自分の道を進め。近代を生み出した熱情が溢れる書物である。
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