書評

『ころころ にゃーん』(福音館書店)

  • 2020/05/03
ころころ にゃーん / 長新太
ころころ にゃーん
  • 著者:長新太
  • 出版社:福音館書店
  • 装丁:単行本(20ページ)
  • 発売日:2011-05-15
  • ISBN-10:4834026590
  • ISBN-13:978-4834026597
内容紹介:
小さな玉がころころ転がるうちに耳があらわれて「にゃーん」と鳴きました。今度は大きな玉が転がってきて…。
長新太さんが亡くなって、8カ月が過ぎた(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2006年)。私の好きな絵本、イラストレーション界の王様だった。

プロレスでいうならジャイアント馬場さん、らくごでいうなら志ん朝さんが、突然いなくなった時のように、ショックだった。

くだものでいうなら西瓜、あげものでいうならコロッケくらいに、だいじな重要な人だった。

お葬式で、遺作のタイトルは「ころころ にゃーん」というのだと知らされていた。

亡くなる2週間前に仕上がったということで「一体どんな絵本だろう?」と、ずっと待っていたのだった。

亡くなる2週間前に、こんなに愉快な、こんなにトボケた、こんなにかわいい絵本を描けるなんて、やっぱり長新太さんは王様である。

「ごろごろ にゃーん」は青いペン画で「ころころ にゃーん」はピンクのペン画で描きました。

と、原画につけられた手紙に書いてあったそうだ。おそらく、これが遺作になる事を長さんはご存じだったろう。

1976年の「ごろごろ にゃーん」は5歳のこどもたちを、びっくり興奮させた絵本の名作だが、この「ころころ にゃーん」は赤ちゃんもころころ笑う絵本になった。
ころころ にゃーん / 長新太
ころころ にゃーん
  • 著者:長新太
  • 出版社:福音館書店
  • 装丁:単行本(20ページ)
  • 発売日:2011-05-15
  • ISBN-10:4834026590
  • ISBN-13:978-4834026597
内容紹介:
小さな玉がころころ転がるうちに耳があらわれて「にゃーん」と鳴きました。今度は大きな玉が転がってきて…。

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初出メディア

朝日新聞

朝日新聞 2006年03月05日

朝日新聞デジタルは朝日新聞のニュースサイトです。政治、経済、社会、国際、スポーツ、カルチャー、サイエンスなどの速報ニュースに加え、教育、医療、環境、ファッション、車などの話題や写真も。2012年にアサヒ・コムからブランド名を変更しました。

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