書評

『蓮田善明 戦争と文学』(論創社)

  • 2022/08/09
蓮田善明 戦争と文学 / 井口 時男
蓮田善明 戦争と文学
  • 著者:井口 時男
  • 出版社:論創社
  • 装丁:単行本(320ページ)
  • 発売日:2019-01-25
  • ISBN-10:484601746X
  • ISBN-13:978-4846017460
内容紹介:
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな… もっと読む
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな影響を与えたことで知られる。出征し敗戦時にジョホールバルで連隊長を射殺し、自決した。 三島との関係で知られる蓮田善明は、日本浪漫派のなかでも重要な役割を果たした。井口時男はこの蓮田善明を、自決に至る戦争との関わり、そして文学との関わりを中心に描き出す。戦争と文学を考える上でも大きな存在であり、三島や日本浪漫派、保田與重郎を含めて蓮田善明を論じる、初の本格論考。

戦地で自決した文人の肖像

蓮田善明という国学者をご存じだろうか。三島由紀夫の『花ざかりの森』を世に送り出し(当時、三島は16歳)、日本ロマン派の保田與重郎(よじゅうろう)と親交を結び、詩人の伊東静雄と出会った。2度、戦地へ赴き、敗戦後、上官を拳銃で撃ち、自決した男。

これまで数冊しか研究書のなかった蓮田を、著者は「文人」として論じていく。『古事記』や『本居宣長』といった戦時下の研究者としてではなく、『有心』という小説の読解を通じて、新しい蓮田像を提示する。

それにしても『有心』という小説の、捉えがたい魅力! 日本思想史の上で蓮田善明がいまだにアンタッチャブルな存在ならば、彼の小説こそがその突破口ではないか。
蓮田善明 戦争と文学 / 井口 時男
蓮田善明 戦争と文学
  • 著者:井口 時男
  • 出版社:論創社
  • 装丁:単行本(320ページ)
  • 発売日:2019-01-25
  • ISBN-10:484601746X
  • ISBN-13:978-4846017460
内容紹介:
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな… もっと読む
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな影響を与えたことで知られる。出征し敗戦時にジョホールバルで連隊長を射殺し、自決した。 三島との関係で知られる蓮田善明は、日本浪漫派のなかでも重要な役割を果たした。井口時男はこの蓮田善明を、自決に至る戦争との関わり、そして文学との関わりを中心に描き出す。戦争と文学を考える上でも大きな存在であり、三島や日本浪漫派、保田與重郎を含めて蓮田善明を論じる、初の本格論考。

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初出メディア

日本経済新聞

日本経済新聞 2019年3月14日

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