未来を心配しすぎない。
自分を見捨てない。
コロナ時代の「幸せ」の考え方を、いろいろな角度から紹介した
坂東眞理子さんの新刊『幸せな人生のつくり方』。
今回特別に「まえがき」を公開します。
コロナ禍があっても、どう生きれば幸せになれるのでしょう
新型コロナパンデミックが考え方を変えた!
私たちは日常の暮らしの中で悩んだり、迷ったり、怒ったり、苦しんだりしながらも「幸せに生きたい」と願っています。また現在コロナパンデミックの中で、何が大事で何が不要なのか、新しい目で今までの生活を見直しています。家族も、仕事や働き方も、お金に対する考え方も大きく変わり始めています。その中で改めて幸せな人生とは何だろう、何が必要で何が不要不急か考え、自分の幸せはどうつくっていこうかと考えた人も多いのではないかと思います。
皆が必要としているのは、幸せな人生を手に入れるための哲学や宗教ではなく、具体的な行動、日常生活の過ごし方、心の持ち方、考え方ではないでしょうか。
お金や地位があれば幸せになるわけではありません。心理学者のマズローは安全や生存の欲求が達せられた後で一番レベルの高い欲求は「自己実現である」と言っています。しかし今多くの研究者は、人々が一番幸せを感じるのは自分が何かを成し遂げたとき以上に自分の行為行動が人に感謝されるときだと言っています。日常的にも私たちは、人に感謝し、されるときに心が温かくなり幸せを感じるのを経験しています。「自分は損している」と思うと心が貧しくなります。
私はこの本の中で、コロナ禍があっても私たちはどう生きれば幸せになれるのか、いろいろな角度からの考えを紹介しています。
結論は「今」を大事にし、「今」を充実させることです。詳しいことは各章を読んでいただくのが良いのですが、どうしたら今を充実させることができるのかの実践的なアドバイスとしては、次の10カ条が有効だと思います。
「今」を大事にし、「今」を充実させる 幸せへの10カ条
第1条 今何かを始めることが状況を変える。1頁でも読み始める、1行でも書き始める第2条 今していることに15分心を込めて取り組む
第3条 過去を思い出してはああすればよかった、これが悪かったと思い返さない。これからどうなるかと、まだ起こっていない未来を妄想し、心配しすぎないで今できる行動をする
第4条 友人や知人の成功や幸運に「よかった」「おめでとう」「うれしい」と言う
第5条 大きな悲しみや苦しみに直面したときは、愛する人や仕事や趣味で気分を紛らわす
第6条 自分が受けた助け、励まし、好意を思い出し感謝する時間を持つ第7条 身近な人に柔らかい関心を持ち、話す、挨拶、笑顔を向ける
第8条 少しでいいので人のために自分のお金や時間を使う
第9条 求援力、受援力、与援力を持つ
第10条 自分を見捨てず、大切にし、人生を生き切る
ぜひ皆さんも自分なりに「今を充実する」にはどうすればよいか考えてください。「充実した今」を積み重ねていくのが、充実した幸せな人生をつくる秘訣です。それが善く生きることにつながります。
[書き手]坂東眞理子