書評

『1%の努力』(ダイヤモンド社)

  • 2024/11/08
1%の努力 / ひろゆき
1%の努力
  • 著者:ひろゆき
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(288ページ)
  • 発売日:2020-03-05
  • ISBN-10:4478108498
  • ISBN-13:978-4478108499
内容紹介:
ラクを極めた管理人がマジメに語る、「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。「頭のいい生き方」を教えよう。目次序文 「1%の努力」とは何か1 団地の働かない大人たち―「前提… もっと読む
ラクを極めた管理人がマジメに語る、「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。「頭のいい生き方」を教えよう。

目次
序文 「1%の努力」とは何か
1 団地の働かない大人たち―「前提条件」の話
2 壺に何を入れるか―「優先順位」の話
3 なくなったら困るもの―「ニーズと価値」の話
4 どこにいるかが重要―「ポジション」の話
5 最後にトクをする人―「努力」の話
6 明日やれることは、今日やるな―「パターン化」の話
7 働かないアリであれ―「余生」の話
インターネットの「2ちゃんねる」といえば、匿名をいいことに、誹謗中傷・罵詈雑言・嘘でまかせがあふれる掲示板だった。パンドラの箱を開けちゃったというか、人間の本性は邪悪なりということを白日の下にさらした。だからその管理人である「ひろゆき」こと西村博之には、ネットの負の側面を象徴するようなイメージがあった。どんなに批判されても「蛙の面に水」を地で行くような、しかも「ふてぶてしい」というより飄々としたたたずまいは、なんだか人を食っている。

ところが昨今は各方面で引っ張りだこ。ポータルサイトのニュース欄で名前を見かけない日はない。いまや橋下徹やホリエモン(堀江貴文)と並ぶ論客である。

『1%の努力』(ダイヤモンド社・1650円)はそんなひろゆきによる人生指南書であり自己啓発書。昨年3月に刊行されてから売れ続けている。想定読者は若者か。ひろゆきは混迷する時代のロールモデルなのである(ALLREVIEWS事務局注:本書評執筆年は2021年)。

この本の特徴は、ひろゆきが東京都北区赤羽の団地で育ったその生い立ちから、パリでのんきに余生を送る現在までを、七つのエピソードを軸に語っていること。そして、意外なことに(と言っては著者に失礼だが)、書かれていることがけっこう真っ当であること。少なくとも「2ちゃんねる」の醸し出すアングラでダークな感じじゃない。

たとえばエピソード2は人生における優先順位の話。自分にとって一番大切なものは何かをじっくり考え、それを優先して生きよ、と言う。ぼくも賛成だ。世の中、お金とか世間体とか会社の都合とかオリンピックとか、クソくだらないことを優先させられる場面が大杉)。もっとも、ひろゆきの場合、最優先するものは「睡眠」というところがひと味違うか。

アルバイトを全力で楽しんだこととか、海外を旅して多くの親切な人に出会ったことなど、「いい話」も多い。

働かないアリになって、楽しく生きようぜ、とひろゆきは言う。ぼくもやりたいことだけやろう。
1%の努力 / ひろゆき
1%の努力
  • 著者:ひろゆき
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(288ページ)
  • 発売日:2020-03-05
  • ISBN-10:4478108498
  • ISBN-13:978-4478108499
内容紹介:
ラクを極めた管理人がマジメに語る、「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。「頭のいい生き方」を教えよう。目次序文 「1%の努力」とは何か1 団地の働かない大人たち―「前提… もっと読む
ラクを極めた管理人がマジメに語る、「生い立ち」「起業」「ビジネス」「これから」の話。「頭のいい生き方」を教えよう。

目次
序文 「1%の努力」とは何か
1 団地の働かない大人たち―「前提条件」の話
2 壺に何を入れるか―「優先順位」の話
3 なくなったら困るもの―「ニーズと価値」の話
4 どこにいるかが重要―「ポジション」の話
5 最後にトクをする人―「努力」の話
6 明日やれることは、今日やるな―「パターン化」の話
7 働かないアリであれ―「余生」の話

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2021年7月17日

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