襲われることはないでしょうか。
会社で、学校で、家庭内で、友人付き合いで、
親戚間で、ママ友関係で、SNS上で……。
かといって、自分を押し殺して我慢するのも、
いつかは限界がくることになります。
では、どうしたら「同調圧力」にとらわれることなく生きられるのでしょうか?
自分を抑圧しがちな方のために、臨床数9万件の人気心理カウンセラーが
独自の視点からその回避法をまとめた書籍
『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』より、
今回、特別に一部を抜粋して紹介します。
「同調圧力」と闘わずにかわすコツ、あります!
ここ数年で、「同調圧力」という言葉が広く知られるようになりました。念のため、辞書の説明を記すと、「集団において、少数意見を持つ人に対して、周囲の多くの人と同じように考え行動するよう、暗黙のうちに強制すること」(デジタル大辞泉)だそうです。
みなさんは、この「同調圧力」という言葉を聞くと、どんなことが思い浮かぶでしょうか?
・職場で多数派の意見に押されて、本当は違う考えなのに流されてしまう
・家庭内でパートナーと子どもの目を気にして、好きなものも買えない
・学校から早く帰りたいけど、グループの友達が来るのを待たなきゃいけない
・保育園のママ友から仲間外れにされないように振る舞わないといけない
・SNSで「〇〇警察」に叩かれないように、品行方正でいないといけない
――etc.
その人ごとに、本当に多種多様なシーンが思い浮かんだのではないかと思います。
では、どんなふうに同調圧力に対処していけばいいかというと、これが結構難しい。
よくメディアでは「日本は同調性の強い社会」「異質なものを排除する傾向が強い」なんて評論されますが、正直、そんな評論よりも日常の中で同調圧力にどう向き合えばいいのかを教えてほしいな、と私自身思ったりしていました。
そこで、今回は私なりに、同調圧力でしんどくならないための向き合い方を心理的なメカニズムに基づきながら、まとめてみることにしました。
患者さんから見えてきた「同調圧力」に強い人、弱い人
心理カウンセラーとして、これまで9万件を超える臨床の機会がありましたが、思えばクライアントさんたちの悩みには、同調圧力が起因となっているものが少なくありませんでした。
「あの人にどう思われるかが怖いから、言うことを聞いちゃう」
「嫌われたくないから、自分が我慢をすればいい」
そんなふうに、相手の顔色を窺いすぎてしまい、最終的には自分が疲弊してしまっているケースの多いこと。
でも、そういった事例をたくさん見ているうちに、表面的に見えていたものとは違う、「同調圧力の背景」「同調圧力でしんどくなりやすい人の傾向性」「柳に風のようにサラリと受け流せる人」「攻撃されにくい人の共通項」などなど、新たに浮き上がってきたものがあったのです。
本書では、そんな「同調圧力の正体」「同調圧力に弱い人の根底にあるもの」「同調圧力の捉え方を変える」などについて、なるべく専門用語を使わずに書きながら、私の体験やそれに基づく仮説も述べて、「同調圧力から抜け出せる自分」のつくり方を紹介します。
あなたの「同調圧力」かけられやすさ度チェック
みなさんは、ご自身が「同調圧力」をかけられやすいタイプなのか、それとも「同調圧力」をかけられにくいタイプなのか、考えたことはあるでしょうか?
多くの方は「自分はそういうタイプだから」と、在り方を変えることをあきらめていたり、客観視をせずに理由もわからず苦しみ続けてしまっているところがあります。
しかし、「同調圧力」の沼を抜け出せるようになるのは、自分の現状を知ることが不可欠なのです。そこで「同調圧力」で生きづらい毎日を卒業されたい方は、以下のチェックテストでご自身の状態を知っておくことが大切です。
●「同調圧力」かけられやすさ度チェックの見方
レベル5:1〜6の質問のうち、一つでもYESがあった人
レベル4:1〜6はNOだけれど、7〜16の質問のうち一つでもYESがあった人
レベル3:1〜16はNOだけれど、17〜22の質問のうち一つでもYESがあった人
レベル2:1〜22はNOだけれど、23〜27の質問のうち一つでもYESがあった人
レベル1:1〜27はNOだけれど、28〜30の質問のうち一つでもYESがあった人
みなさん結果はいかがでしたか。
レベルが5に向かうほど、同調圧力に弱い人であり、かけられやすい人と言えます。
逆にレベル1だったという人は、とても精神的に安定していて同調圧力にも強く、かけられやすくもない人です。おそらく本書は必要ないでしょう。
ちなみに、それぞれのレベルがどういう状態なのかの詳細な説明は、本編を通して読者のみなさんとの共通理解ができてからのほうがお伝えをしやすいので、本の中のChapter3で解説します。
チェックテストで芳しくない結果が出た方は、ぜひ本書を読んでみてください。
本編では、前半は「同調圧力のメカニズム」や「同調圧力をかけてくる人は何者なのか」を。後半は「同調圧力のかわし方 実践編」のほか、「同調圧力を味方にする方法」まで解説していきます。
高い頻度で「同調圧力」に悩まされている読者の方が、少しでも同調圧力から自由になることができれば、著者として嬉しい限りです。
【書き手】大嶋信頼
本稿は『誰にも嫌われずに同調圧力をサラリとかわす方法』(祥伝社)「はじめに」をもとに作成