書評

『自由が丘画廊ものがたり: 戦後前衛美術と画商・実川暢宏』(平凡社)

  • 2024/03/17
自由が丘画廊ものがたり: 戦後前衛美術と画商・実川暢宏 / 金丸 裕子
自由が丘画廊ものがたり: 戦後前衛美術と画商・実川暢宏
  • 著者:金丸 裕子
  • 出版社:平凡社
  • 装丁:単行本(280ページ)
  • 発売日:2023-10-27
  • ISBN-10:4582273378
  • ISBN-13:978-4582273373
内容紹介:
アーティストたちが次々と自由な表現を試みた、日本の前衛美術運動。その渦中に身をおき、「自由が丘画廊」という舞台で、とびきりの知的冒険を楽しんだ画商がいた――。伝説のギャラリスト・… もっと読む
アーティストたちが次々と自由な表現を試みた、日本の前衛美術運動。その渦中に身をおき、「自由が丘画廊」という舞台で、とびきりの知的冒険を楽しんだ画商がいた――。

伝説のギャラリスト・実川暢宏の回想を軸に、アーティスト、ギャラリスト、そしてコレクターたちの青春群像を生き生きと描き出す。


澤田政廣、柏木俊一、旧福島コレクション、岡本太郎、瀧口修造、河原温、新宿風月堂、志水楠男、エスパース画廊、久保貞次郎、小コレクターの会、岡鹿之助、駒井哲郎、李禹煥、もの派、山口長男、オノサト・トシノブ、ジャック・デュブール画廊、森下慶三、具体、ヨーゼフ・ボイス、アートスペースシモダ、デュシャン、洲之内徹、草間彌生、中川幸夫 etc.
日本人画家の抽象画が内外のオークションでブームを呼び、1950~60年代の作品は億の桁で売買されている。だがブームは作品そのものには深い関心を持たない投機家が引き起こす。芸術は市場の存在も定かでない時期にこそ息づいている。

「自由が丘画廊」は定評あった銀座の南画廊や東京画廊と離れた東横線に、68年から約30年実在した。もの派や「具体」の画家や評論家、画商やコレクターが連日どこからともなく集まり、真価を論じ情報を盗むという、抽象画の市場形成にともなう熱を帯びた交流を繰り広げた。

その場を支えたのがオーナーの「実川暢宏」だ。本書は、現在は都心に隠棲する実川からの丹念な聞き取りを軸に、戦後現代美術の青春時代をリアルに再現する。実川は無名時代の李禹煥や駒井哲郎とも私生活込みで付き合い、公設美術館に先駆けド・スタールやフランク・ステラの企画展を開催したという。ドラマ仕立てで観たくなる名場面が続く。

「実川」や「山口長男」の読み方が明かされない本書もまた、一幅の抽象画だろう。
自由が丘画廊ものがたり: 戦後前衛美術と画商・実川暢宏 / 金丸 裕子
自由が丘画廊ものがたり: 戦後前衛美術と画商・実川暢宏
  • 著者:金丸 裕子
  • 出版社:平凡社
  • 装丁:単行本(280ページ)
  • 発売日:2023-10-27
  • ISBN-10:4582273378
  • ISBN-13:978-4582273373
内容紹介:
アーティストたちが次々と自由な表現を試みた、日本の前衛美術運動。その渦中に身をおき、「自由が丘画廊」という舞台で、とびきりの知的冒険を楽しんだ画商がいた――。伝説のギャラリスト・… もっと読む
アーティストたちが次々と自由な表現を試みた、日本の前衛美術運動。その渦中に身をおき、「自由が丘画廊」という舞台で、とびきりの知的冒険を楽しんだ画商がいた――。

伝説のギャラリスト・実川暢宏の回想を軸に、アーティスト、ギャラリスト、そしてコレクターたちの青春群像を生き生きと描き出す。


澤田政廣、柏木俊一、旧福島コレクション、岡本太郎、瀧口修造、河原温、新宿風月堂、志水楠男、エスパース画廊、久保貞次郎、小コレクターの会、岡鹿之助、駒井哲郎、李禹煥、もの派、山口長男、オノサト・トシノブ、ジャック・デュブール画廊、森下慶三、具体、ヨーゼフ・ボイス、アートスペースシモダ、デュシャン、洲之内徹、草間彌生、中川幸夫 etc.

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2024年2月10日

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