書評

『AI は人間を憎まない』(飛鳥新社)

  • 2024/11/28
AI は人間を憎まない / トム・チヴァース
AI は人間を憎まない
  • 著者:トム・チヴァース
  • 翻訳:樋口 武志
  • 出版社:飛鳥新社
  • 装丁:単行本(352ページ)
  • 発売日:2021-06-01
  • ISBN-10:4864107718
  • ISBN-13:978-4864107716
内容紹介:
気鋭の英国人ジャーナリストが、人工知能の「可能性」と「暴走リスク」を徹底検証!AI開発のカギを握る(=人類の未来を左右する)「合理主義者」たちへの徹底取材をベースに明かされる新事実… もっと読む
気鋭の英国人ジャーナリストが、人工知能の「可能性」と「暴走リスク」を徹底検証!AI開発のカギを握る(=人類の未来を左右する)「合理主義者」たちへの徹底取材をベースに明かされる新事実とは?

目次
1 人類の行く末を憂う人たち
2 ペーパークリップの黙示録
3 すべての基本はベイズ的思考法
4 バイアスという人間の弱点
5 理性の水位を上げる4つの方法
6 衰退と離散
7 ダークサイド
8 より効果的に善をなす
9 滅亡の基準率
超知能AIや生命操作技術が、人間とその暮らしを予測不能な形で変えるとする、トランスヒューマニズム、シンギュラリタリアニズムが広がりつつある。機械が人間を超え、データ至上主義になる時代が遠からずやってくると信じる「合理主義者」たちへの取材報告である本書を読み、ディジタル社会に遅れまいとする頭を少し休め、主体は人間だと再確認する必要を感じた。

彼らには、AIによって滅びるか、神になるかの選択しかない。前者を避けるために全力を尽くしていることは評価するが、人間を神にするのは困る。不老不死、宇宙進出、更には隕石などから居住可能な惑星作りの可能性まで考え、それを繁栄とするのである。

彼らは効果的利他主義運動と称して費用対効果が高い慈善事業を支援している。その最重要テーマは「人類の危機」であり、ここでもAIが課題になる。著者は、取材相手を変わった人達と感じたと何度も書く。仲間内での雑談がないという指摘は興味深い。今後の社会へのAIの影響力の大きさを考えると、変な人たちの動きとだけ言っているわけにはいかないだろう。
AI は人間を憎まない / トム・チヴァース
AI は人間を憎まない
  • 著者:トム・チヴァース
  • 翻訳:樋口 武志
  • 出版社:飛鳥新社
  • 装丁:単行本(352ページ)
  • 発売日:2021-06-01
  • ISBN-10:4864107718
  • ISBN-13:978-4864107716
内容紹介:
気鋭の英国人ジャーナリストが、人工知能の「可能性」と「暴走リスク」を徹底検証!AI開発のカギを握る(=人類の未来を左右する)「合理主義者」たちへの徹底取材をベースに明かされる新事実… もっと読む
気鋭の英国人ジャーナリストが、人工知能の「可能性」と「暴走リスク」を徹底検証!AI開発のカギを握る(=人類の未来を左右する)「合理主義者」たちへの徹底取材をベースに明かされる新事実とは?

目次
1 人類の行く末を憂う人たち
2 ペーパークリップの黙示録
3 すべての基本はベイズ的思考法
4 バイアスという人間の弱点
5 理性の水位を上げる4つの方法
6 衰退と離散
7 ダークサイド
8 より効果的に善をなす
9 滅亡の基準率

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初出メディア

毎日新聞

毎日新聞 2021年7月10日

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