書評

『道徳の系譜学』(光文社)

  • 2017/09/10
道徳の系譜学  / フリードリヒ ニーチェ
道徳の系譜学
  • 著者:フリードリヒ ニーチェ
  • 翻訳:中山 元
  • 出版社:光文社
  • 装丁:文庫(378ページ)
  • 発売日:2009-06-11
  • ISBN:4334751857
内容紹介:
ニーチェが目指したのは、たんに道徳的な善と悪の概念を転倒することではなく、西洋文明の根本的な価値観を転倒すること、近代哲学批判だけではなく、学問もまた「一つの形而上学的な信仰に依拠している」として批判することだった。ニーチェがいま、はじめて理解できる決定訳。
聖書は初めから読んでもいいが、辞書のように任意のペーシを引くこともできる。ニーチェの書物もその意味では聖書と同じ活用法ができる。そもそも『ツァラトゥストラかく語りき』『この人を見よ』も聖書の福音書のパロディになっている。

このアンチ・キリストたる男は、キリスト教がヨーロッパの精神構造に及ぼした悪影響を取り除こうとしながら、社会道徳や国民意識の創生プロセスの欺瞞を批判する。合理的な法則を見出そうとするスピノザの神への知的な愛を、二ーチェは絶えざる流動のなかで捉えようとし、永遠に自己創造し、永遠に自己破壊する運命への愛へと過激に推し進める。宗教権威や社会道徳や形而上学といった超越論的枠組みから、思考を解き放ち、能動的に自らを更新しながら回帰することを説く。世界は移ろいやすい。しかし、自由な精神の持ち主は世界よりも早く移ろう。単に道徳を守る者は、本能を甘く見ている。おのが本能に忠実であろうとする者は、その本能よりも速く走ろうとする。そこに倫理が生まれる。
道徳の系譜学  / フリードリヒ ニーチェ
道徳の系譜学
  • 著者:フリードリヒ ニーチェ
  • 翻訳:中山 元
  • 出版社:光文社
  • 装丁:文庫(378ページ)
  • 発売日:2009-06-11
  • ISBN:4334751857
内容紹介:
ニーチェが目指したのは、たんに道徳的な善と悪の概念を転倒することではなく、西洋文明の根本的な価値観を転倒すること、近代哲学批判だけではなく、学問もまた「一つの形而上学的な信仰に依拠している」として批判することだった。ニーチェがいま、はじめて理解できる決定訳。

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