書評

『ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能”を本気にさせたリーダー』(ダイヤモンド社)

  • 2017/08/01
ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能"を本気にさせたリーダー / 森 健二
ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能"を本気にさせたリーダー
  • 著者:森 健二
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(576ページ)
  • 発売日:2016-04-22
  • ISBN-10:4478028699
  • ISBN-13:978-4478028698
内容紹介:
ソニー創業者、盛田研究の決定版! 「常に自分の頭で考え、世界と渡り合い、時代を創造してき男」今こそ日本は、盛田の生き方を、学ぶべき時です。本書は、スティーブ・ジョブズを魅了した… もっと読む
ソニー創業者、盛田研究の決定版!
「常に自分の頭で考え、世界と渡り合い、時代を創造してき男」
今こそ日本は、盛田の生き方を、学ぶべき時です。

本書は、スティーブ・ジョブズを魅了した「ソニー・盛田昭夫」の経営を、新事実を基に解明し、次代の指針を提示します。
清新な理念を掲げ、“時代の才能"を引き寄せ、多くのイノベーションを実現してきたソニーは、世界の企業のロールモデルとなった。今、進むべき道を見失っている日本のビジネスマンに、この稀有な企業の歴史を掘り起こし、日本がソニーと盛田昭夫を持てた意味を、成功と失敗のメカニズムとともに伝えます。

坂を下った経緯切り込む

企業が衰退、凋落する原因は、その多くが戦略の誤謬やお家騒動などの「経営の失敗」によると考えられる。数々の新技術で世界を驚かせたソニーは、いったい、なぜ、坂を下っていったのか。

本書は表題にあるようにズバリ「ソニー盛田昭夫」伝である。前半は、ソニーのサクセスストーリーだ。グレートコミュニケーターといわれた彼のエピソードが、微に入り細をうがって詳しく描写されている。興味深いのは後半だ。1980年代前半までの絶頂期を経て次第に衰退していく姿が、知られざるエピソードを交えて記されているのだ。

したがって、創業者の盛田昭夫を通して、凋落に至る経過の深読みが可能だ。著者は、ソニーの経営中枢部の深い森に分け入り、ソニーの失敗の背景にリーダーの側面から肉薄している。

ソニーは89年、ハリウッドのコロンビア・ピクチャーズを34億ドルで買収する。著者はそこから「微妙にタガが緩みはじめた」と捉える。

一度は経営会議で買収を断念しながら、翌日には盛田の意をくんで一転。盛田は取締役会を前に「映画会社ひとつ経営できなくて、それでもソニーなのか。それじゃ、普通の日本の会社と同じじゃないか」と幹部を一喝し、ソニーは買収に突き進んだという。

「映画は水物だから、手を出すな」と言明していた盛田が、なぜ変心したのか。日本がバブルの絶頂期であったことと無関係ではないだろう。 そもそも、ハードメーカーによる映画会社のマネジメントには、限界があると私は思う。 その後、後継者選びの失敗やイノベーションの不発が重なり、知識、創造性、情熱を資本とする「創業の精神」を喪失し、経営がダッチロール化することになる。 ソニーは、いま、ようやく業績が上向き始めた。再生に要した年月の長さを考えれば、本書の読後感は重い。
ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能"を本気にさせたリーダー / 森 健二
ソニー 盛田昭夫―――“時代の才能"を本気にさせたリーダー
  • 著者:森 健二
  • 出版社:ダイヤモンド社
  • 装丁:単行本(ソフトカバー)(576ページ)
  • 発売日:2016-04-22
  • ISBN-10:4478028699
  • ISBN-13:978-4478028698
内容紹介:
ソニー創業者、盛田研究の決定版! 「常に自分の頭で考え、世界と渡り合い、時代を創造してき男」今こそ日本は、盛田の生き方を、学ぶべき時です。本書は、スティーブ・ジョブズを魅了した… もっと読む
ソニー創業者、盛田研究の決定版!
「常に自分の頭で考え、世界と渡り合い、時代を創造してき男」
今こそ日本は、盛田の生き方を、学ぶべき時です。

本書は、スティーブ・ジョブズを魅了した「ソニー・盛田昭夫」の経営を、新事実を基に解明し、次代の指針を提示します。
清新な理念を掲げ、“時代の才能"を引き寄せ、多くのイノベーションを実現してきたソニーは、世界の企業のロールモデルとなった。今、進むべき道を見失っている日本のビジネスマンに、この稀有な企業の歴史を掘り起こし、日本がソニーと盛田昭夫を持てた意味を、成功と失敗のメカニズムとともに伝えます。

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共同通信社

共同通信社 2016年6月10日

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